The Noble Qur'an Encyclopedia
Towards providing reliable exegeses and translations of the meanings of the Noble Qur'an in the world languagesTaha [Taha] - Japanese translation - Saeed Sato
Surah Taha [Taha] Ayah 135 Location Maccah Number 20
ター・ハー[1]。
(使徒*よ、)われら*があなたにクルアーン*を下したのは、あなたが不幸になるためではない[1]。
しかし、(それをあなたに下したのは、アッラー*の懲罰を)恐れる者への、教訓とするため。
大地と、高き諸天をお創りになったお方から、次々と下されたものとして。
(かれは)慈悲あまねき*お方、まさに御座に上がられた[1]。
かれにこそ、諸天にあるもの、地にあるもの、その間にあるもの、土の下にあるものは属する。
たとえあなたが言葉を露わにしても(隠しても)、本当にかれは秘密と、更に秘められたことをご存知である。
アッラー*はかれ以外には崇拝*すべきもののないお方。かれにこそ、美名は属する。
一体、あなたのもとにムーサー*の話は届いたか?
彼が火を目にし、自分の家族に(こう)言った時。「待っていなさい。まさに私は、火を見つけたのだ。私はそこからあなた方に、火種を持って来るだろう。あるいは火のもとに、(道の)案内人を見つけるかもしれない」。[1]
こうして彼がそこ[1]にやって来た時、(こう)呼びかけられた。「ムーサー*よ、
本当にわれこそは、あなたの主*である。ならば、(われとの語らいのため、)あなたの靴を脱ぐがよい。まさにあなたは、聖なる谷トゥワー[1]にいるのだから。
そしてわれは、あなたを(使徒*として)選んだのだ。ならば、(あなたに)啓示されることに、耳を傾けよ。
本当にわれこそは、われ以外に崇拝*すべきもののない、アッラー*。ゆえにわれを崇拝*し、われを唱念すべく礼拝を遵守*せよ。
本当にその時(復活の日*)は、訪れる。全ての者が自分の努力することによって報われるようにするため、われはそれ(が訪れる時)を、(われ自身にさえも)隠してしまわんばかりである。[1]
ならば、それを信じず、自分の欲望に従った者が、あなたをそれ[1]から阻むようであってはならない。そうすれば、あなたは破滅してしまう。
あなたの右手にあるそれは何か、ムーサー*よ?」
彼は申し上げた。「これは、私の杖です。私はこれに寄りかかったり、これで(木々の葉を)私の羊の上に突き落としたりします。また、私にはそれに、外の使い道もあるのです」。
かれは仰せられた。「それを投げるがよい、ムーサー*よ」。
彼はそれを投げた。すると、どうであろう、それは這い回る大蛇となった(ので、彼は怖がって逃げ出した)。
かれは仰せられた。「それを掴め。そして怖がるのではない。われら*はそれを、元の形に戻すのだから。
また、あなたの手を自分の脇に挟んでみよ。それはもう一つの御徴として、災い[1]もなしに、白くなって出てくる。
(これらのことは、)われら*があなたに、われら*の最大の御徴[1]の内から、見せてやるためなのである。
(ムーサー*よ、われへと招くべく、)フィルアウン*のもとへ行くのだ。実に彼は、(われへの反抗において)度を越してしまったのだから」。
彼は申し上げた。「我が主*よ、私の胸を広げ[1]、
我が任務を、私のために容易にし、
私の舌のもつれ[1]を解いて下さい。
そうすれば、彼らは私の言葉を理解しましょう。
また私に、私の家族から、片腕をお授け下さい。
我が兄、ハールーン*を。
彼によって、私の背中[1]を強固にし、
私の任務に彼を、協力させて下さい。[1]
(それは、)私たちがあなたを沢山称え*、
あなたをよく唱念するため。
本当にあなたはもとより、私たちをご覧になっていたお方」。
かれ(アッラー*)は仰せられた。「あなたは、あなたの願いを確かに叶えられたぞ、ムーサー*よ」。
そしてわれら*は確かに、別の時にも、あなたに恵みを垂れてやったのだ。[1]
われら*があなたの母に、示されるもの[1]を示した時。
「彼(生まれたばかりのムーサー*)を箱に入れて、それを海原[1]へと放り投げよ[2]。そして海原に、それを岸へと投げ出させよ。そうすればわが敵と、彼(ムーサー*)にとっての敵[3]が、それを手にするから」。また、われはあなた(ムーサー*)に、わが御許からの愛情を授けた。そして、(それは)あなたが、わが眼差しの中で[4]育まれるためであったのだ。
あなた(ムーサー*)の姉が、(あなたの入った箱を追って)歩んで行き、(その箱を拾った者に、こう)言った時。「あなた方に、彼の世話をしてくれる者を、お教えしましょうか?」こうして、われら*はあなたを、あなたの母親へと返した。(それは)彼女が喜ぶ[1]ようにし、悲しまないようにするためであった。また、あなたは(過って、コプト)人を殺してしまった[2]けれど、われら*はあなたを苦悩から救ってやった。そしてわれら*は、あなたをまさに試練にかけたのだ。また、あなたは(殺されるのを怖れて逃げ、)マドゥヤン*の民のもとで数年過ごし、それから定め通りーームーサー*よーーあなたはやって来たのだ[3]。
われは、われ自身の(教えの伝達の)ために、あなたを(これらの恩恵で)養成した[1]のである。
あなた(ムーサー*)と、あなたの兄(ハールーン*)は、わが御徴[1]を携えて行くのだ。そして、われの唱念(を持続すること)において、気力を失ってはならない。
(二人で、)フィルアウン*のもとに行け。実に彼は、(われへの反抗において)度を越してしまったのだから。
そして、彼が教訓を得、(自分の主*を)恐れるよう、彼に柔らかい言葉で語りかけよ。
彼ら二人は、申し上げた。「我らが主*よ、本当に私たちは、彼が私たちに対して早まったこと[1]をしたり、あるいは(真理に対して)高慢になったりすることを怖れます」。
かれは仰せられた。「怖れるのではない。実にわれは、あなた方二人と共にあり、(あなた方のことを)聞き、見ているのだから」。
そして、あなた方二人は彼のもとへ行き、(こう)言うのだ。「本当に私たちは、あなたの主*の二人の使徒*なのです。ですから、イスラーイールの子ら*を私たちと共に自由にし[1]、彼らを苦しめないで下さい。私たちは確かに、あなたの主の御許からの御徴[2]と共に、あなたのもとへやって来たのですから。導きに従う者には、(現世と来世での)平安があります。
本当に私たちには、(アッラー*の教えを)嘘呼ばわりし、(それから)背を向ける者には懲罰があると、確かに啓示されたのです」。
彼(フィルアウン*)は言った。「では、あなた方二人の主*とは誰なのか、ムーサー*よ?」
彼(ムーサー*)は言った。「我らが主*は、全てのものにその(相応しい)形をお授けになり、それから導かれた[1]お方です」。
彼(フィルアウン*)は言った。「では、(不信仰の中にあった)昔の世代はどうなる?」
彼(ムーサー*)は言った。「その知識は、我が主*の御許、書[1]の中にあります。我が主*は間違えることも、忘れることもありません。
(かれは、)あなた方のために大地を平坦にされ、あなた方のためにそこに(多くの)道をお通しになり、天から(雨)水をお降らしになったお方」。そして、われら*はそれで、様々な種類の植物を出(し、育成)させる。
(アッラー*がお恵みになったよき作物から、)食べ、(それで)あなた方の家畜を飼育するがよい。本当にその中にはまさしく、まともな理性の持ち主への御徴[1]があるのだ。
われら*は、あなた方をそれ(大地)から創り、(死後には)その中へとあなた方を戻し、そして(復活の日*には)再び、そこからあなた方を出すのである。
われら*は確かに彼(フィルアウン*)に対し、われら*の御徴[1]を全て見せた。そして彼は(それらを)嘘とし、拒んだのだ。
彼(フィルアウン*)は言った。「一体あなたはーームーサー*よーー、あなたの魔術で私たちを、私たちの地から追い出すため、私たちのもとにやって来たのか?
それでは、私たちも必ずや、それと同様の魔術をあなたに披露しよう。そして私たちとあなたの間に、私たちも、あなたも違えることのない約束を、中ほどの場[1]に設けるのだ」。[2]
彼(ムーサー*)は言った。「あなた方の約束(の日時)は、晴れ着の日[1]で、人々は朝[2]に集められます」。
フィルアウン*は引き返し、自分の策略を練り上げてから、約束(の日)に現れた。
ムーサー*は、彼ら(魔術師たち)に言った。「あなた方の災難に(気を付けよ)。アッラー*に対して嘘をでっち上げてはならない。そうすれば、かれはあなた方を罰で根こそぎにしてしまおう。(アッラー*に)嘘をでっち上げる者は、確かに敗北するのだ」。
すると彼らは、仲間内で自分たちの事について論議し、密かに密談した。
彼ら(魔術師たち)は言った。「実にこの二人(ムーサー*とハールーン*)は、まさしく魔術師である。彼ら二人はその魔術で、あなた方をあなた方の地から追い出し、あなた方の最善のやり方[1]を葬り去ろうとしているのだ。
ならば、あなた方の策略を練り上げ、それから一列になって行くのだ。そしてこの日、(相手に)勝った者は、確かに成功を収めたことになる」。
彼ら(魔術師たち)は、言った。「ムーサー*よ、あなた方が杖を投げるか、それとも私たちが最初に(自分たちが持っているものを)投げる者となるか?」
彼(ムーサー*)は言った。「いや、あなた方が(先に)投げよ」。すると、彼らの縄と杖はどうであろうか、その魔術により、彼(ムーサー*)にはそれらが(大蛇と化して)這い回るように映った。
それでムーサー*は、自らの内に恐怖感を抱いた。
われら*は言った。「怖れるのではない。まさにあなたこそは、(彼らに対する)勝利者なのだから。
そして、あなたの右手にあるもの(杖)を投げよ。そうすれば、それは彼らの作ったもの[1]を、呑み込んでしまう。本当に彼らの作ったものは、魔術師の策略なのだ。そして魔術師はどこに行こうと、成功することなどはない」。
(こうしてムーサー*は杖を投げ、それは幻の大蛇を呑み込んだ。)そして魔術師たちは、サジダ*しつつ崩れ落ちた[1]。彼らは言った。「私たちは、ハールーン*とムーサー*の主*を信じました」。
彼(フィルアウン*)は言った。「私があなた方に許可を出す前に、あなた方は彼を信じた(のか)。本当に彼はまさしく、あなた方に魔術を教えた。あなた方の親玉なのだ。ならば私は必ずや、あなた方の手足を交互に切り落とし、あなた方をナツメヤシの木の幹に磔にしてやろう。そしてあなた方はきっと、私たち[1]のいずれが、より厳しく永い罰(の主)なのか、知ることになるのだ」。
彼ら(魔術師たち)は言った。「私たちは決して、私たちのもとに到来した明証と、私たちを創成されたお方[1]より、あなたを重んじたりはしません。では、あなたのすることを、するがよいでしょう。あなたが(権限を有)するのは、この現世の生活だけのことなのですから。
本当に私たちは、かれ(アッラー*)が私たちの過ちと、あなたが私たちに無理強いした魔術のことをお赦しになるべく、私たちの主*を信じました。そしてアッラー*は(あなたよりも)より善く、より永いお方[1]なのです」。[2]
本当に、自分の主*の御許に罪悪者(不信仰者*)として馳せ参じる者があれば、地獄は彼のためにこそある。彼はそこで(安らぐべく)死ぬことも、(楽しく)生きることもない。
そしてかれの御許に、正しい行い*に励んだ信仰者としてやって来る者、それらの者たちにこそは(天国で)高い位がある。
その下から河川が流れる、永久の楽園が。彼らはそこに永遠に留まる。それが、自らを努めて清めた者[1]への褒美なのだ。
また、われら*は確かに、ムーサー*に(こう)啓示した[1]。「われら*の僕たち(イスラーイールの子ら*)と共に、夜(エジプトを)旅立て。そして(追っ手が)追いつくことを怖がらず、(溺れることも)恐れず、彼らのため、海に干上がった道を作ってやるのだ」。
こうしてフィルアウン*は、その軍勢に彼らを追跡させた。そして海原から彼らを、彼らを覆ったものが覆った[1]。
フィルアウン*はその民を迷わせたのであり、導いたのではなかった。
イスラーイールの子ら*よ、われら*は確かにあなた方[1]を、あなた方の敵から救った。また山の右側であなた方と約束を交わし[2]、あなた方にマンヌとウズラ[3]を下した。
われら*があなた方に授けた善きものから、食べるがよい。そしてそれにおいて、放埓であってはならない[1]。そうすれば、あなた方にわが怒りが降りかかろう。わが怒りが降りかかる者は誰でも、確かに転落し(破滅し)た[2]のである。
本当にわれは、悔悟し、信仰し、正しい行い*に励み、そして導かれた者に対し、実に赦し深い者なのである。
(アッラー*は仰せられた。)「何があなたを、あなたの民から急がせたのか[1]、ムーサー*よ?」
彼(ムーサー*)は、申し上げた。「彼らは、私の後を追って来ている、あれらの者たちです。そして私はーー我が主*よーー、あなたがお喜びになるべく、(彼らを置いて)あなたの御許へと急いだのです」。
かれは仰せられた。「というのも実にわれら*は、あなた(の民との離別)の後、確かにあなたの民を試みたのだ。そしてサーミリーが彼らを、迷わせたのである」。[1]
ムーサー*は怒り、悲しみつつ、自分の民のもとに戻った。彼は言った。「我が民よ、一体あなた方の主*は、あなた方に、善きお約束[1]を約束されたのではなかったのか?一体、(約束の)その期間が、あなた方に長引い(て待ち切れなくなっ)たというのか?それともあなた方は、あなた方の主*からのお怒りが自分たちに降りかかることを望み、それで私との約束を破ったのか?」
彼らは言った。「私たちは自分たちの選択で、あなたとの約束を破ったわけではない。しかし私たちは(フィルアウン*の)民の宝飾品の内から、思い荷物を背負わされたのであり、それを(サーミリーの命令通り、火を点けた穴の中に)放り込んだのだ[1]。そしてサーミリーも同じように、放り投げた[2]」。
こうして彼(サーミリー)は彼らに、鳴き声を有する、実体のある仔牛を(それらの黄金から作って)出した。そして彼ら[1]は、言ったのだ。「これは、あなた方の神[2]であり、ムーサー*の神である。そして彼(ムーサー*)は、(仔牛のことを)忘れてしまった[3]のだ」。
一体彼らは、それ(仔牛)が彼らに言葉も返さなければ、彼らに対して害も益も有してはいない[1]のが、分からないのか?
(ムーサー*の帰還)以前、ハールーン*は彼らに対し、確かに(こう)言った。「我が民よ、あなた方はまさしく、それ(仔牛)で試されている。そして本当に、あなた方の主*は慈悲あまねき*お方。ならば私に従い、私の命令に服すのだ」。
彼らは言った。「私たちは、ムーサー*が私たちの所に戻って来るまで、それ(仔牛)に崇め仕えるのを決して止めないぞ」。
彼(ムーサー*)は言った。「ハールーン*よ、彼らが迷ったのを目にした時、あなたを引き止めたものは何なのか、
あなたが私に従うことから(引き止めたのは)?一体、あなたは私の命令に背いたのか?[1]」
彼(ハールーン*)は言った。「我が母の息子[1]よ、私のあごひげも、頭(髪)も、掴まないでくれ。本当に私は、(もし私が彼らを放ったらかしにて、あなたを追っかけていたら、)『あなたはイスラーイールの子ら*を分裂させ、私の言いつけも守らなかった』とあなたが言うことを、恐れていたのだ」。[2]
彼(ムーサー*)は言った。「では、あなたの言い分は何なのだ、サーミリーよ?」
彼(サーミリー)は言った。「私は、彼らが目にしなかったもの(ジブリール*)を見たのです[1]。それで私は、御使い(ジブリール*)の(馬の足)跡から、一掴み(の土)を手にし、それを(燃やして溶けた宝飾品に)投げかけました。そのように私の自我は、(このような行いを)自分自身に目映く見せたのです」。[2]
彼(ムーサー*)は言った。「ならば、行くがよい。というのも本当にあなたは、この(現世での)生活にいる間は『(私に)近づくのではない』と言うこと[1]になり、本当にあなたにこそは、決して破られることのない(来世での懲罰の)約束があるのだから。あなたが仕えていた自分の神(仔牛)を、見てみるがよい。私たちはそれを必ずや焼き尽くし、それからきっと、それを海原に跡形もなくばら撒いてしまおう」。
あなた方が崇拝*すべきは、かれ以外に(真に)崇拝*すべきいかなるものもない、アッラー*のみ。かれは(その)知識で、全てのものを網羅し給う。
(使徒*ムハンマド*よ、)そのようにわれら*は、既に過ぎ去ったものの消息の一部を、あなたに語って聞かせる。また、われら*は確かにわれら*の御許から、あなたに教訓(クルアーン*)を授けたのである。
それ(クルアーン*)に背を向ける者は誰でも、本当に復活の日*、(罪という)重荷を背負うことになる。
彼らはそこ(懲罰)に、永遠に留まる。そして復活の日*、彼らの荷物は何と忌まわしいことか。
角笛に吹き込まれるその日[1]、われら*はその日、眼が青くなった[2]罪悪者たちを召集する。
彼らは、自分たちの間で、ひそひそ話し合(い、こう言)う。「あなた方は(現世で)、十(日間)しか過ごさなかった」。[1]
われら*は、彼らの中で最も見識ある者が、「あなた方は(現世で)、一日しか過ごさなかった」と言う時、彼らの言うことを最もよく知っているのだ。
(使徒*よ、)彼らは、(復活の日*の)山々(の状態)について、あなたに尋ねる。ならば、言うのだ。「我が主*はそれらを、跡形もなく粉々にされる。[1]
そしてそれ(大地)を、真っ平でつるつるなものとされ、
あなたはそこに、いかなる歪みや起伏も見出すことがない」。
その日、彼らは呼ぶ者(の声)に従(い、集合の場へと向か)う。彼からの逃げ道は、全くない。そして(人々の)声は、慈悲あまねき*お方(アッラー*)に対して恭順[1]にな(って消え入)り、あなたはひそひそ声[2]しか耳にすることがないのだ。
その日、慈悲あまねき*お方が許可を授け、その言葉においてご満悦された者以外、執り成しは役に立たない。[1]
かれは、彼らの前にあるものも、背後にあるもの[1]も、ご存知なのだ。また彼らが、かれのことを知り尽くすことは出来ない。
そして(人々の)顔[1]は、永生する*お方、全てを司る*お方へと屈服する。不正*を背負った者は、(復活の日*、)確かに敗北したのだ。
そして信仰者で正しい行い*を行う者は誰であれ、不正*も欠損も怖れることがない[1]。
そのように、われら*はそれをアラビア語のクルアーン*として下し、その中で警告を多彩に示した。(それは、)彼らが(アッラー*を)畏れ*るため、あるいは彼らに教訓を汲ませるためなのである。
そして、王であり、真理であられるアッラー*は、(いかなる欠点からも)高遠なお方であられる。(使徒*よ)、あなたにその啓示が(一頻り)下り終わる前に、クルアーン*(を受け取ること)に慌てるのではない。そして、言うのだ。「我が主*よ、私に知識を増やして下さい」。[1]
われら*は確かに以前、アーダム*に(楽園の木の実を食べないよう)命じた[1]。そして彼は(そのことを)忘れてしまい、われらは彼に(命令を遵守するだけの)注意(の力)を見出すことがなかった。
また、われら*が天使*たちに「アーダム*にサジダ[1]せよ」と言い、彼らが(全員)サジダ*した時のこと(を思い出せ)[2]。但しイブリース*だけは別で、(それを)拒んだ。[3]
われら*は言った。「アーダム*よ、本当にこれ(イブリース*)はあなたと、あなたの妻に対する敵である。ならば、彼に(従って)あなた方二人を楽園[1]から追い出させ、それであなた[2]が不幸になるようではならない。
本当にあなたはそこ(楽園)において、飢えることもなければ、裸になることもない。
また、そこで喉が渇くことも、太陽に晒されることもない。
すると、シャイターン*が彼に囁きかけて、言った。「アーダム*よ、永遠の(生を授けてくれる)木と、廃れることのない王権へと、あなたを案内してやろうか?」
こうして二人はそこから食べ、二人の恥部(アウラ*)は彼ら自身に露わになってしまい、二人は楽園の葉でそれら(アウラ*)を隠し始めた[1]。アーダム*は彼の主*に逆らい、誤った[2]のである。
それから、かれの主*は彼(アーダム*)をお選びになり、彼の悔悟をお受け入れになり、お導きになった。
かれは仰せられた。「二人とも共に、(イブリース*と)互いに敵となって、そこ(楽園)から落ちて行け。そして、あなた方にわれら*の御許からの導きが到来した時、わが導き(使徒*と啓典)に従う者は誰でも、(現世で)迷うことはなく、(来世で)不幸になることもない。
また、わが教訓に背を向ける者、本当に彼には苦しい生活[1]がある。そしてわれら*は復活の日*、彼を盲目にして集める[2]のだ」。
彼は言う。「我が主*よ、どうして私を盲目にしてお集めになったのですか?私は(現世では、)目が見えていましたのに?」
かれは仰せられる。「(あなたがしたことと、)同様(にしたの)である。われらの御徴はあなたに到来し、そしてあなたはそれを(故意に)忘れたのだから。それで同じようにこの日、あなたは(地獄に)忘れ去られよう」。
そのように、われら*は自分の主*の御徴を信じず、(主*への反抗に)度を越していた者に応報を与える。来世の懲罰こそは、より厳しく、より永いのである。
一体、われら*が彼ら以前に、どれほど多くの(不信仰な)民*を滅ぼしたかが、彼らにはまだ明らかになってはいないのか?彼らはその者たちの住居の中を、(その滅亡の跡を目にして)歩いているというのに?本当にそこ[1]にはまさしく、まともな理性の持ち主への御徴があるのだ。
(彼ら不信仰者*の懲罰を先送りにするという)あなたの主*からの先んじた御言葉と、定められた期限[1]さえなければ、(彼らの早期での滅亡は)必然だったのである。
ならば(使徒*よ、)彼らの言うことに忍耐*せよ。また、太陽が昇る前とそれが沈む前、そして夜の一部[1]において、あなたの主*の称賛*と共に(かれを)称える*のだ。また、昼の端々[2]に(アッラー*を)称えよ。(それは、)あなたが(その褒美で)満足するようになるためである。
また、われら*が彼ら(不信仰者*))の内の様々な者たちを楽しませているものに、決してあなたの(羨望の)視線を釘付けにするのではない。(それは、)われら*がそれで彼らを試練にかけるための、現世の生活の飾りなのである。あなたの主*の糧[1]は、(彼らが味わっている享楽)より善く、より永く続くものなのだ。
また(使徒*よ)、あなたの家族[1]に礼拝を命じ、それ(を行うこと)において忍耐*を重ねよ。われら*があなたに糧を求めるのではなく[2]、われら*があなたに糧を与えるのだから。そして(現世と来世における、善き)結末は、敬虔*さ(を纏った者たち)にあるのだ。
彼らは言う。「どうして彼(使徒*)は自分の主*の御許から、私たちに御徴[1]を持って来ないのか?」一体、以前の書巻の中にあるものに対する明証[2]は、彼らに到来しなかったのか?
もしわれら*が懲罰によって、それ以前[1]に彼らを滅亡させていたら、彼らは(こう)言ったであろう。「我らが主*よ、どうしてあなたは私たちに、使徒*を遣わしてくれなかったのですか?そうすれば私たちは、(あなたの懲罰によって)卑しめられ、辱められる前に、あなたの御徴に従いましたのに」。[2]
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「(私たちの(いずれも、(誰に勝利があるか)待ち望む身にある。ならば、待ち望むがいい。あなた方は、誰が真っ当な道の徒であり、誰が導かれていたかを知ることになるのだから」。