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The Noble Qur'an Encyclopedia

Towards providing reliable exegeses and translations of the meanings of the Noble Qur'an in the world languages

The Table Spread [Al-Maeda] - Japanese translation - Saeed Sato

Surah The Table Spread [Al-Maeda] Ayah 120 Location Madanah Number 5

信仰する者たちよ、契約を果たす[1]のだ。あなた方に誦み聞かされるもの[2]を除き、家畜獣[3]はあなた方に合法とされた。あなた方がイフラーム*中に、狩猟を合法とすることもない。本当にアッラー*は、かれがお望みのことを取り決められるお方なのだから。

信仰する者たちよ、アッラー*の聖徴[1]、神聖月[2]、供物[3]、首飾り[4]、そしてその主*の御許からのご恩寵と(かれの)お喜びを求めて聖殿(カァバ神殿*)を志す者たちのことを、侵してはならない。また、(イフラーム*を)解禁したならば、狩猟してもよい。そして、あなた方をハラーム・マスジド*から阻んだことゆえの、ある民への憎しみが、あなた方を(彼らに対する)侵害へと向けてしまうようではならない。また、善と敬虔さ*においては互いに助け合い、罪や侵犯においては互いに助け合ってならない。そしてアッラー*を畏れ*よ。本当にアッラー*は、厳しく懲罰されるお方なのだから。

あなた方には、(以下のものが)禁じられた:死体、血液、豚肉、アッラー*以外の名において屠られたもの[1]、絞め殺されたもの、撲殺されたもの、転落死したもの、(外の家畜の角で)突き殺されたもの、野獣に食い殺されたもの——但し(それら[2]がまだ息のある内に)あなた方が止めを刺したものは、その限りではない——、(アッラー*を差しおいて崇めるために)立てられたものの上で屠られたもの[3]、賭矢を引くこと[4]。それらは放逸さなのだ。今日、不信仰に陥った者*たちは(、あなた方が)あなた方の宗教(を棄てないこと)に失意しきっている。ならば彼らのことは恐れずに、われ(アッラー*)のことを怖れるのだ。この日[5]われはあなた方のために、あなた方の宗教を完成させ、あなた方へのわが恩恵を全うし、イスラーム*があなた方への宗教であることに満足した。(故意に)罪に傾く[6]のでもなく、空腹でやむを得ない状態にある者は誰でも(、禁じられたものを食べてもよい[7])、本当にアッラー*は赦し深いお方、慈愛深い*お方なのだから。

(預言者*よ、)彼ら(教友*たち)は、自分たちに合法とされた(食べ)物は何なのか、あなたに尋ねる。言ってやるがいい。「あなた方には、善きもの[1]が合法とされた。また捕食獣[2]の内、あなた方が狩猟を訓練し、アッラー*があなた方にお教えになったもので調教するもの(が捕まえた獲物)も。ならば、それらがあなた方のために捕まえたものを食べ、それにアッラー*のみ御名を唱えるのだ[3]。そしてアッラー*を畏れ*よ。本当にアッラー*は、即座に計算される*お方なのだから」。

(信仰者たちよ、)この日、あなた方には善きものが許された。また、啓典を授けられた者*たちの食べ物[1]はあなた方にとって合法であり、あなた方の食べ物は彼らにとっても合法である。また、信仰者女性の内の貞淑な女性と、あなた方以前に啓典を授けられた者*たちの内の貞淑な女性[2]も(合法である)。あなた方が貞淑であり、(公然と)姦淫を犯したり、情婦を持ったりもせず、彼女たちに婚資金*を贈るのであれば、だが。誰であろうと信仰を否定する者、その行いは確実に台無しとなるのであり、来世において彼は損失者の類となるのだ。

信仰する者たちよ、あなた方が礼拝を意図した時には、自分たちの顔と、両腕を肘まで洗い、頭を撫で、両足をくるぶしまで(洗え)[1]。そして、あなた方がジャナーバ*の状態にあったら、(礼拝の前に、水で)身を清めよ。また、もしあなた方が病人[2]や旅行中であったり、あなた方の誰かが窪地から(戻って)来たり[3]、(妻である)女性と交わったりした後(、穢れを清めるための)水を見つけられなかった時は、清浄な地面へと向かい(それに触れ)、その一部であなた方の顔と両手を撫でる[4]のだ。アッラー*はあなた方に、困難をお授けになりたいのではない。しかし、かれはあなた方を清められ、あなた方が感謝するように、あなた方の上にその恩恵を全うされたいのである。

また、あなた方に対するアッラー*の恩恵と、あなた方が「私たちは聞き、従いました」と言った時にかれがあなた方と結んだ、かれとの確約[1]を思い起こすがよい。そして、アッラー*を畏れ*よ。本当にアッラー*は、胸中にあるものをご存知になるお方なのだから。

信仰する者たちよ、アッラー*のためによく(権利を)履行する者[1]、正義の証人であれ。そしてある民に対する憎しみが、あなた方を公正の不履行へと向けてしまうようではならない。公正に徹するのだ。それがより敬虔さ*に近いのだから。そしてアッラー*を畏れよ。本当にアッラー*は、あなた方の行うことに通暁されているお方。

アッラー*は、信仰し、正しい行い*を行う者たちに、(天国を)お約束される。彼らには、お赦しと、この上ない褒美がある。

そして不信仰に陥り、われら*の(唯一性*を示す)御徴を嘘よばわりした者たち、それらの者たちは火獄の住人である。

信仰する者たちよ、あなた方に対するアッラー*の恩恵を思い起こすのだ。ある民があなた方に(支配の)その手を伸ばそうとし、それでかれが、その手をあなた方から阻まれた時のことを。そしてアッラー*を畏れ*よ。信仰者たちには、アッラー*にこそ全てを委ね*させるのだ。

アッラー*は確かに、イスラーイールの子ら*の確約[1]をお取りになり、われら*[2]は彼らの内から十二人の族長を遣わした[3]。そして、アッラー*は彼らに仰せられた。「本当にわれは、あなた方と共にある[4]。もしも、あなた方が礼拝を遵守し*、浄財*を支払い、わが使徒*たちを信じ、彼らを助け、アッラー*によき貸付⁵をするのであれば、われは必ずやあなた方の悪行をあなた方のために帳消しにし、あなた方をその下から河川が流れる楽園に入れてやろう。あなた方の内、その後に及んで不信仰に陥る者*は、確かに真っ当な道から迷ってしまっているのである」。

われら*は、彼ら(ユダヤ教徒*)が確約を破棄したことゆえに彼らを呪い[1]、彼らの心を硬化させた。彼らは(トーラー*の中の)御言葉を本来の形から改竄し、自分たちがそれ(トーラー*)によって戒められていたものの多く[2]を忘れた[3]。そして(使徒*よ、)あなたは、彼らの内の僅かなものを除いては、未だに彼らの裏切りを見出すのだ。ならば彼らを大目に見、見逃してやれ。本当にアッラー*は、善を尽くす者[4]たちをお好きになるのだから[5]。

またわれら*は、「私たちはキリスト教徒*です」と言う者たちからも、その確約を取った。そして彼らも、自分たちがそれ(福音*)で戒められていたものの多くを、忘れてしまったのだ[1]。それで、われら*は復活の日*まで、彼らの間に敵意と憎悪を煽り立てた。アッラー*はやがて、彼らが成していたことを、彼らにお告げになろう。

啓典の民*よ、あなた方のもとには確かに、われら*の使徒*(ムハンマド*)が到来した。彼はその啓典の内の、あなた方が隠蔽していたものの多くを明らかにし、また(その他の)多くについては大目に見てくれる[1]。アッラー*の御許からあなた方のもとに、光と解明の書[2]が確かにやって来たのである。

アッラー*は、それ(クルアーン*)によってかれのお喜びを追求する者を、平安の道へとお導きになる。そしてそのお許しによって、彼らを闇から光[1]へと救い出され、まっすぐな道へとお導きになるのである。

「本当にアッラー*こそは、マルヤム*の子マスィーフ*(イーサー*)である」などと言った者たちは、確かに不信仰に陥ったのだ。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「ならば、誰がアッラー*に対して、僅かばかりでも(力を)有するというのか?もしアッラー*が、マルヤム*の子マスィーフ*とその母、そして地上にあるもの全てを滅ぼすことを欲されたならば[1](、誰もどうすることも出来ない)。諸天と大地、その間にあるもの(全て)の王権は、アッラー*にこそ属するのだ。かれは、かれがお望みのものををお創りになるのだから。そしてアッラー*は、全てのことがお出来になるお方であられる」。

ユダヤ教徒*とキリスト教徒*は、言った。「私たちはアッラー*の子であり、その寵愛を受ける者である」。(使徒*よ、)言ってやるのだ。「ならば、なぜ、かれ(アッラー*)はあなた方の罪ゆえに、あなた方を罰されるのか?いや、あなた方はかれが創られたもの(である外の人間と同種)の、人間なのだ。かれは、かれがお望みになる者をお赦しになり、かれがお望みになる者を罰され給う。そして諸天と大地、その間にあるものの王権はアッラー*にこそ属し、かれにこそ還り所があるのだ」。

啓典の民*よ、あなた方のもとに(それ以前の)使徒*たちから期間をおいて、(真実と導きを)明示するわれら*の使徒*(ムハンマド*)が到来した。(それは)あなた方が、「私たちのもとには、吉報を伝える者も、警告を告げる者[1]も、(誰も)来なかった」などと言わないようにするため。そして、あなた方のもとには確かに、吉報を伝え警告を告げる者が到来したのだ。アッラー*は、全てのことがお出来になるお方。

ムーサー*が、その民に(こう)言った時のこと(を思い起こさせるがよい)。「我が民よ、あなた方に対する、アッラー*の恩恵を思い出すのだ。かれが、あなた方の内に数々の預言者*を遣わされ、あなた方を王とし、全創造物のいかなる者にも与えられなかったものを、あなた方にお授けになった時のことを。[1]

我が民よ、アッラー*があなた方に約束された聖なる地[1]に入るのだ。そして背を向けて退散するのではない。そうすればあなた方は、損失者として帰って来ることになろう」。

彼らは言った。「ムーサー*よ、実にそこには強大な民がいる。そして本当に私たちは、彼らがそこから出て行くまで、絶対にそこには入らないぞ。もし彼らがそこから出て行くなら、まさしく私たちは(そこへ)入る者となろう」。

(アッラー*を)怖れる者たちの内、二人の男[1]ーーアッラー*は彼らに、(アッラー*とムーサー*への服従という)恩恵を授けて下さったーーが、言った「門に入り、彼らのもとに突入するのだ。それで、もしそこに入ったなら、あなた方は必ずや勝利者となろう。ならばアッラー*にこそ、全てを委ねる*のだ。もし、あなた方が信仰者であるというなら」。

彼らは言った。「ムーサー*よ、彼らがそこにいる限り、私たちは絶対にそこには入らないぞ。ならば、あなたと、あなたの主*が行って、戦って来るがいい。実に私たちは、ここで留まる者となるから」。

彼(ムーサー*)は、(祈って、)申し上げた。「我が主*よ、本当に私は、自分自身と我が兄(ハールーン*)の外、何も有しておりません。ゆえに、わたしたちと放逸な民との間に、ご裁決をお下し下さい」。

かれ(アッラー*)は、仰せられた。「では、実にそこは彼らに四十年間禁じられ、彼らは(その間、)地を彷徨うことになろう。ならば、放逸な民のために悲しむのではない」。

(使徒*よ、)彼らにアーダム*の二人の子[1]についての真実の話を、誦んで聞かせるがいい。二人が供物を捧げ、彼らの一人(ハービール)からは受け入れられ、もう一人(カービール)からは受け入れられなかった時のこと[2]。彼(カービール)は言った。「絶対に、お前を殺してやる」。彼(ハービール)は言った。「アッラー*は敬虔な*者たちからのみ、お受け入れになるのだ。

もしも、あなたが私を殺そうとして、その手を私に伸ばしたとしても、私はあなたを殺そうとして、我が手をあなたへ伸ばしはしまい。本当に私は、全創造物の主*アッラー*を、怖れているのだから。

本当に私は、あなたが私の罪とあなた自身の罪[1]と共に(アッラー*の御許へと)戻り、業火の民の類いとなることを望んでいる[2]のだ。それが、不正*者たちへの応報である」。

彼(カービール)の自我は、彼に自分の弟を殺害するよう仕向け、彼は彼(ハービール)を殺した。そして彼は、損失者の類となった。

そしてアッラー*は、その弟の亡骸をいかに埋めるかを示すため、地面を掘る、一羽のカラスを遣わされた[1]。彼(カービール)は言った。「我が災いよ[2]!一体、私はこのカラスのようにして、自分の弟の亡骸を埋めることも出来なかったのか?」彼は、後悔する者の類いとなった。

それ(殺人の罪)ゆえに、われら*はイスラーイールの子ら*に(こう)定めたのだ。誰か一人(の命)の代償としてでもなく、地上における腐敗*[1]ゆえにでもなくして人一人の命を奪った者は、あたかも全人類を殺したようなものである[2]。また、それ(一人の命)を生かした者は、あたかも全人類を生かしたようなものである[3]。われら*の使徒*たちは確かに、明証[4]を携えて彼らのもとに到来したのだ。それから実に、彼らの多くはその後、地上で(アッラー*の法を侵犯することにおいて、)正しく度を越した者たちなのである。

アッラー*とその使徒*に戦いをしかけ、地上で腐敗*を働くことに奔走する者たち[1]の応報は、殺されるか、(死刑の上に)磔にされるか、またはその手足[2]を交互に切断されるか、あるいはその土地から追放される[3]ことに外ならない。それは、現世における彼らへの屈辱である。そして来世においては彼らに、この上ない懲罰があるのだ。

但し、あなた方が召し捕る前に悔悟した者たちは別である。ならば(信仰者たちよ)、アッラー*が赦し深いお方、慈愛深い*お方であることを知るがよい。

本当に、不信仰に陥った者*たちは、たとえ彼らに、復活の日*の懲罰をそれで償(って免除してもら)うため、地上にあるもの全てと、それと同様のものがもう一つあったとしても、それが彼らから受け入れられることはない。そして彼らには、痛烈な懲罰がある。

業火から抜け出したくても、彼らがそこから出ることは叶わない。そして彼らには、永劫の懲罰がある。

(イスラーム*法によって統治する者よ、)男女の窃盗[1]犯は、彼らが(不当に)稼いだことの応報、アッラー*からの懲罰ゆえに、その手[2]を切断するのだ。アッラー*は、偉力ならびない*お方、英知あふれる*お方。

そして、その不正*(窃盗)の後に悔悟し(行いを)正した者は誰であろうと、本当にアッラー*は、その悔悟を受け入れて下さる。本当にアッラー*は、赦し深いお方、慈愛深い*お方であられるのだから。

(使徒*よ、)あなた[1]は、諸天と大地の王権がアッラー*に属するということを知らないのか?かれはお望みの者を罰され、お望みの者をお赦しになるのだ。アッラー*は、全てのことがお出来のお方。

使徒*よ、「私たちは信仰した」と口先では言いつつも、その心は信仰していない者たちの内、不信仰へと急ぐ者たちが、あなたを悲しませるようであってはならない。また、嘘に耳を傾け、(余りの憎しみゆえに)あなたのもとには顔を出さず、(トーラー*の)言葉をその場所の(確定)後に改変する民に傾聴する[1]、ユダヤ教徒*である者たち(の不信仰者*)も(同様である)。彼ら(その人々)は、言うのだ。「もし、あなた方が(ムハンマド*から)これを与えられたら、これを受け入れよ。そしてもし、これを与えられなかったら、用心するのだ[2]」。(使徒*よ、)誰であろうと、アッラー*がその試練をお望みになる者、あなたはその者のために、アッラー*に反して何一つ出来ないだろう[3]。それらの者たちは、アッラー*が(不信仰から)その心の浄化をお望みにはならなかった者たち。彼らには現世において屈辱があり、来世においてはこの上ない懲罰がある。

(彼らユダヤ教徒*は)嘘に耳を傾け、禁じられた物を貪る者たち。彼らが(裁決を求めて)あなたのもとに来たら、彼らの間を裁くか、あるいは彼らから背を向けよ。そして、あなたが彼らに背を向けるにしても、彼らは少しもあなたを害せないだろう。また、裁決するのであれば、公正さで彼らの間を裁け。本当にアッラー*は、公正な者たちをお好みになるのだから。

彼らは、自分たちの手許にはアッラー*の規定が記されたトーラー*があるというのに、一体どうしてあなたに裁決を求めるのか?それから彼らは、その(裁決が下された)後、それに背を向けるのである。それらの者たちは、信仰者などではない[1]。

本当にわれら*は、(アッラー*の法に)服従(イスラーム*)した預言者*たちが、それによってユダヤ教徒*である者たち*を裁く、導きと光を宿したトーラー*を下した。また、学識豊かな指導者[1]たちや学者らも、自分たちがアッラー*の書(であるトーラー*が改変されることから)の保持を託されたがゆえに(、それで裁いていた)。そして彼らは、それに対する証人[2]だったのだ。ならば人々を恐れず、われ(アッラー*)を恐れよ[3]。そして、われの(規定という)御徴と引き換えに、僅かな値打ちのものを買ったりしてはならない。誰であろうと、アッラー*がお下しになったもので裁かない者、それらの者たちこそは不信仰者*なのである。

また、われら*はその(トーラー*の)中で、彼らに(こう)定めた。命には命で、目には目で、鼻には鼻で、耳には耳で、歯には歯で(報われる)。そして傷害はキサース刑[1](による報い)なのだ」。誰でも、それ(キサース刑の執行)を免じてやる者は、それが自分への罪滅ぼしとなる。そして誰であろうと、アッラー*がお下しになったもので裁かない者、それらの者たちこそは不正*者なのである。

われら*は、それ以前に下されたトーラー*を確証するマルヤム*の子イーサー*に、彼ら(イスラーイールの子ら*の預言者*たち)の跡を継がせた。そしてわれら*は、導きと光を宿し、それ以前に下されたトーラー(*の正しさ)を確証する、敬虔*な者たちへの導きと訓戒としての福音*を、彼に授けたのだ。

福音*の徒は、アッラー*が(福音*の)その中で下されたものによって裁決せよ。誰であろうと、アッラー*がお下しになったもので裁かない者、それらの者たちこそは放逸な者である。

また(使徒*よ)、われら*はあなたに、それ以前の啓典(の正しさ)を確証し、かつ統制するものとして、真実の啓典(クルアーン*)を下した。ならばアッラー*がお下しになったものによって、彼らの間を裁くのだ。そして、あなたに到来した真理をよそに、彼らの欲望に従ってはならない。われら*はあなた方の各々(の共同体)に、法と(明白な)道筋を授けた[1]。そして、もしアッラー*がお望みになったのであれば、あなた方を一つの(法に基づいた)共同体とされただろう。しかし(そうされなかったのは)、あなた方に授けたものにおいて、あなた方をお試しになるため[2]。ならば、善行を競い合うがよい。アッラー*にこそ(復活の日*)、あなた方全員の帰り所はあり、そしてかれは、あなた方が意見を異にしていたことに関して、あなた方にお告げになるのだから。

また(使徒*よ)、アッラー*のお下しになったもので彼らの間を裁き、彼らの私欲に従うのではない。そして、アッラー*があなたに啓示したものの一部から、彼らがあなたを惑わせ(、その実践を阻止し)ようとすることに用心せよ。もし彼らが(あなたの裁決から)背き去るなら、知るがよい、アッラー*は彼らの罪の一部ゆえに、彼らを罰することをお望みなのだということを。本当に人々の多くは、まさしく放逸な者たちなのである。

一体彼らは、ジャーヒリーヤ*の裁決を望むというのか?そして(アッラー*の法の正しさを)確信する民にとって、アッラー*よりも裁決に優れたお方があろうか?

信仰する者たちよ、ユダヤ教徒*とキリスト教徒*を盟友としてはならない[1]。彼らの盟友は、彼ら自身なのだから。そして誰であろうと、あなた方の内で彼らを盟友とする者、その者はまさしく彼らの仲間である。本当にアッラー*は、不正*者である民をお導きにはならない。

またあなたは、その心に病を宿す者たち[1]が、「私たちは、自分たちに(状況の)暗転が訪れる[2]ことを怖れている」と言って、彼ら(の親愛)へと急ぐのを目にする。アッラー*はきっと勝利か、あるいはその御許から(新たな)局面をもたらされるだろう[3]。それで彼らは、自らの胸中に潜めていたことを後悔することになるのだ。

信仰する者たちは(その時、偽信者*たちのことを知って、こう)言う。「一体これらの者たちは、本当に自分たちこそはあなた方の仲間であると、躍起になってアッラー*にかけて誓った者たちなのか?」彼らの行いは台無しとなり、損失者となってしまうのだ。

信仰する者たちよ、あなた方の内で自分の宗教(イスラーム*)から(不信仰へと)戻ってしまう者があっても、アッラー*はかれが愛で給い、その者たちもまた、かれのことを愛するような別の民を、やがて出現させ給おう。(彼らは)信仰者たちに対しては控えめで、不信仰者*たちには厳格であり、アッラー*の道において努力奮闘し、中傷する者の中傷など怖れない。それ[1]はアッラー*が、かれのお望みになる者に授けられる、かれのご恩寵である。アッラー*は広量な*お方、全知者であられる。

(信仰者たちよ、)あなた方の盟友とは、アッラー*とその使徒*であり、礼拝を遵守し*、(アッラー*に対して)恭順に浄財*を支払う、信仰する者たちに外ならない。

そして誰であろうと、アッラー*とその使徒*と信仰する者たちを盟友とする者は(アッラー*の党派であり)、本当にアッラー*の党派こそは勝利者なのである。

信仰する者たちよ、あなた方以前に啓典を授けられた者*たちと不信仰者*たちの内、あなた方の宗教を嘲笑と遊興の的とした者たちを、盟友とするのではない。そして、アッラー*を畏れ*よ。もし、あなた方が信仰者であるならば。

また(信仰者たちよ)、あなた方が礼拝へと呼びかければ、彼らはそれを嘲笑と遊興の的とした。それというのも彼らは、分別しない民であるからなのだ。

(使徒*よ、)言ってやるがいい。「啓典の民*よ、あなた方は、私たちがアッラー*と、私たちに下されたもの、(それ)以前に下されたもの[1]を信じたというだけで、私たちを咎めるのか?あなた方の大半は、放逸な者であるのに」。

(預言者*よ、)言ってやるがいい。「アッラー*の御許において、それよりも悪い応報を(受ける者たちについて、)あなた方に教えようか?(それは、彼らの罪や嘘や傲慢さゆえに)アッラー*が呪い[1]給い、お怒りになり、その一部を猿や豚にお変えになり[2]、ターグート*を拝した者」。それらの者たちは(来世で)より悪い居場所にあり、(現世では)真っ当な道から、より迷い去った者たちなのだ。

また、彼ら(偽信者*たち)はあなた方のもとにやって来れば、「私たちは信仰した」と言う。彼らは確かに、不信仰と共に(あなた方のもとに)入り、そして不信仰と共に(あなた方のもとを)出て行ったのだ。アッラー*は、彼らが隠していたことを最もよくご存知である。

(使徒*よ、)あなたは彼らの多くが罪と(法の)侵犯、禁じられた物を貪ることに急ぐのを目にする。彼らの行っていることは、何と実に醜悪なことか。

学識豊かな指導者[1]たちや学者らはなぜ、罪深い言葉と禁じられた物を貪ることを彼らに止めさせないのか。彼らの成していたことの、何と実に醜悪なことか。

ユダヤ教徒*は言った。「アッラー*の御手は、縛られている[1]」。ーー縛られたのは彼らの手であり、彼らは彼らの言ったことゆえに呪われたのだーー。いや、かれ(アッラー*)の御手は大きく広げられており、かれはお望みのままにお恵みになる。あなたの主*の御許からあなたに下されたものは必ずや、彼らの多くに、放埓さと不信仰を上乗せする[2]。そして、われら*は復活の日*まで、彼らの間に(互いへの)敵意と憎悪の念を投じたのだ。彼らが(ムスリム*に対する策略の)戦争に火を点けようとするたび、アッラー*はそれをお消しになる。そして彼らは(依然)、地上で腐敗*を働いているのだ。アッラー*は、腐敗*を働く者たちをお好みにはならない。

もし啓典の民*が信仰し、(アッラー*を)畏れ*たなら、われら*は彼らのためにその悪行を覆い隠してやり、彼らを(来世において)安寧の楽園に入れてやるのだが。

また、もし彼らがトーラー*、福音*、彼らの主*から彼らのもとに下されたもの(クルアーン*)を実践したならば、その頭上からも足元からも、食べ(るための糧を授かっ)たであろう[1]。彼らの中には中庸な集団[2]もある。そして彼らの多くの者たちの行いは、何と忌まわしいことか。

(使徒*よ、)あなたの主*からあなたに下されたものを伝えよ。もしそうしなければ、あなたはかれのお言伝を伝えなかったことになる[1]。そしてアッラー*が、あなたを人々から守って下さるのだ。本当にアッラー*は、不信仰者*である民をお導きにはならない[2]。

(使徒*よ、)言ってやるがいい。「啓典の民*よ、トーラー*、福音*、そしてあなた方の主*からあなた方のもとに下されたもの(クルアーン*)を実践するまで、あなた方は(宗教とは)無関係なのだぞ」。そして、あなたの主*の御許からあなたに下されたものは必ずや、彼らの多くに、放埓さと不信仰を上乗せする[1]。ならば、(使徒*よ、)不信仰者*である民ゆえに、悲しむのではない。

本当に、信仰する者たち、ユダヤ教徒*である者たち、サービア教徒*たち、キリスト教徒*たちで、アッラー*と最後の日*を信じて正しい行い*を行う者、彼らには、怖れもなければ、悲しむこともない[1]。

われら*はイスラーイールの子ら*の確約[1]を確かに取り、彼らに数々の使徒*を遣わした。彼ら自身の気に入らないものを携えた使徒*が、彼らのもとに到来する度、彼らは(使徒*たちの)ある一派を嘘つきとしたのであり、また別の一派は殺害するのだった。

また、彼らは試練[1]などないだろうと思い込み、(導きに対して)盲目になり、聾になった[2]。その後アッラー*は彼らの悔悟をお受け入れになったが、それから彼らの多くは(再び、導きに対して)盲目になり、聾になったのだ。アッラー*は、彼らの行うことをご覧になるお方。

「本当にアッラー*、かれは、マルヤム*の子マスィーフ*のことである」と言った者は、確かに不信仰に陥ったのだ。マスィーフ*は、(こう)言ったというのに。「イスラーイールの子ら*よ、我が主*であり、あなた方の主*であるアッラー*を崇拝*せよ。本当に、アッラー*に対してシルク*を犯す者は誰であろうと、アッラー*が彼に天国を禁じられるのだ。そして、その住処は(地獄の)業火である。不正*者たちには、いかなる援助者もない」。

「本当にアッラー*は、三位の内の一つである[1]」と言った者は、確かに不信仰に陥ったのだ。そして、ただ一つの崇拝*すべき存在(アッラー*)の外には、いかなる神[2]もない。もし彼らが(そのように)言うのを止めないならば、痛ましい懲罰は必ずや、彼らの内の不信仰に陥った者*たちに降りかかるであろう。

一体、彼ら(キリスト教徒*)はアッラー*に悔悟し、かれにお赦しを乞わないのか?アッラー*は赦し深いお方、慈愛深い*お方であるというのに。

マルヤム*の子マスィーフ*は、彼以前にも数々の使徒*が滅び去って行った、一人の使徒*に過ぎない。また彼の母親はよき信仰者[1]であり、二人とも食事を口にしていたのだ[2]。見よ、われら*が彼らに対して、いかに御徴[3]を明示するかを。それから見よ、彼らがいかに(真理から)背かされているかを。

(使徒*よ、)言ってやるがいい。「一体あなた方は、アッラー*をよそに、あなた方に対して害も益も有さないものを崇拝*するというのか?アッラー*こそはよくお聞きになるお方、全知者であるというのに」。

(使徒*よ、)言ってやれ。「啓典の民*(キリスト教徒*)よ、あなた方の宗教において不当にも度を越してはならない。また過去に迷い去り、多く(の人々)を迷わせ、真っ当な道から迷い去った民[1]の私欲に従ってはならない」。

イスラーイールの子ら*の内の不信仰だった者*たちは、ダーウード*とマルヤム*の子イーサー*の舌によって呪われた[1]のである。それは彼らが反抗し、(アッラー*が禁じられた物事を)侵犯していたからなのだ。

彼らは自分たちがしていた悪事[1]を互いに禁じ合わなかった。彼らがしていたことの、何と実に醜悪なことか。

(使徒*よ、)あなたは彼ら(ユダヤ教徒*)の多くが、不信仰に陥った者*たちを盟友とするのを目にする。彼らが自らのために成したことの、何と実に醜悪なことか。アッラー*は(それゆえに)彼らに激怒し給い、彼らは懲罰の中に永遠に留まるのだ。

そして、もし彼らがアッラー*と預言者*と、彼に下されたものを信じていたら、彼ら(不信仰者*)のことを盟友とはしなかったであろう。しかし彼らの多くは、放逸な者たちなのである。

(使徒*よ、)あなたは、信仰する者たちに対して最も敵意の激しい人々が、ユダヤ教徒*とシルク*を犯す者たちであることを、必ずや見出すのだ。また、信仰する者たちに対し、彼ら(人々)の内で最も親愛の念を示す者たちが、「本当に私たちは、キリスト教徒*です」と言う者たちであることを、必ずや見出す。それは彼らの中には学僧や修道僧がおり、彼らが高慢ではないためである。[1]

また、彼らが使徒*に下されたもの(クルアーン*)を聞く時、あなたは彼らの眼が、彼らが知った真理ゆえに涙で溢れるのを目にする。彼らは言う。「我らが主*よ、私たちは信仰しました。ゆえに私たちを、証人たちと共に書き留めて下さい[1]。

また私たちが、アッラー*と、自分たちのもとに到来した真理を信仰しないとは、どういうことでしょうか?私たちは私たちの主が、自分たちを正しい者*たちと共に(天国に)入れて下さることを望んでいますのに」。

そしてアッラー*は、彼らが言った(その)ことゆえに、彼らをその下から河川が流れる楽園でお報いになった。彼らはそこに永遠に留まる。そしてそれは、善を尽くす[1]者たちの褒美なのである。

また、不信仰に陥り、われら*の御徴(アーヤ*)を嘘とする者たち、それらの者たちは火獄の住人である。

信仰する者たちよ、アッラー*があなた方にお許しになった善きものを、禁じるのではない。また、(禁じられた物事を)侵犯してもならない[1]。本当にアッラー*は、侵犯する者たちをお好きではないのだから。

また(信仰者たちよ)、アッラー*があなた方に授けられた、合法な善きものから食べよ。そして、あなた方が信じているアッラー*をこそ、畏れる*のだ。

アッラー*はあなた方を、あなた方の宣誓における軽はずみさ[1]ゆえに罰せられたりはしない。しかしかれは、あなた方が宣誓を確定し(た後、それを遂行しなかっ)たことに対して、罰せられる。ならば、その罪滅ぼしは、あなた方の土地の人々に食べさせる平均的なもので、十人の貧者*に食物[2]を施すことか、または彼らに対する衣服の提供、あるいは首[3]一つの解放(の内、いずれか一つ)である。(それらのいずれも)見出せない者[4]は誰でも、三日間の斎戒*(が義務づけられる)。それが、あなた方が誓った際の、あなた方の宣誓(の不履行)に対する罪滅ぼしである。そして(ムスリム*たちよ)、宣誓を守る[5]のだ。そのようにアッラー*は、あなた方が感謝するようにと、あなた方に(法規定に関する)御徴を明示される。

信仰する者たちよ、酒*、賭け事、(アッラー*を差しおいて崇めるために)立てられたもの、賭矢を引くこと[1]は、シャイターン*の行いであり、穢れに外ならない。ゆえにあなた方が成功するように、それ(ら)を避けるのだ。

まさにシャイターン*は酒*と賭け事で、あなた方の間に敵意や憎悪をもたらし、あなた方をアッラー*の唱念や礼拝から妨害したいのである。では一体、あなた方は(それらを)止めるのか?[1]

また、アッラー*に従い、使徒*(ムハンマド*)に従え。そして、用心するのだ。もしあなた方が背を向けても、われら*の使徒*の義務は、(真理を)解明する(啓示の)伝達のみであるということを知っておくがよい。

信仰して正しい行い*を行った者たちには、彼らが食べたものに関して罪はない[1]。彼らが(アッラー*を)畏れ*、信仰して正しい行い*を行い、更に畏れ*て信仰し、それからまた畏れ*て善を尽くした[2]のならば。アッラー*は、善を尽くす者[3]たちをお好みになる。

信仰する者たちよ、アッラー*は必ずや、あなた方の手と槍で捕獲する狩猟物の何か[1]によって、あなた方を試される。それはアッラー*が、まだ見ぬままにかれを怖れる[2]者を、如実に表すためなのである。そして誰であろうと、その後に(法を)侵犯する者、彼には痛ましい懲罰がある。

信仰する者たちよ、あなた方がイフラーム*(あるいは聖域)にある時には、狩猟物[1]を殺してはならない。そしてあなた方の内、誰であろうと(それらを)故意に殺してしまった者、(その者には)報いーーカァバ神殿*[2]に届く供物として、あなた方の内の公正な男性二人が判定した、彼が殺したのと同様の家畜[3]ーーか、罪滅ぼしーー貧者*たちに食を施すか、あるいは斎戒*でその代わりとすること[4]ーーが(義務として)ある。(それらは、)自分の(した)ことの悪を味わうため。アッラー*は、(禁じられる前に)やってしまったことを、大目に見給う。そして誰であろうと、(禁じられた後、意図的にそれを)繰り返す者、アッラー*は彼に報復し給う。アッラー*は偉力ならびなき*お方、報復の主*なのだ。

(ムスリム*たちよ、)あなた方には、あなた方(定住者)と旅行中の者への利として、海での狩猟物とその食物[1]が許された。また、陸上の狩猟物は、あなた方がイフラーム*の状態にある限り、あなた方には禁じられた。あなた方が(復活の日*に)その御許へと召集される、アッラー*を畏れる*のだ。

アッラー*は、聖殿であるカァバ*、神聖月*、供物、首飾り[1]を、人々への拠り所とされた[2]。それはあなた方が、アッラー*が諸天にあるものと大地にあるもの(全て)をご存知になり、またアッラー*が、全てのことをご存知のお方であることを知るためなのである。

(人々よ、)知るがよい、アッラー*が厳しく懲罰されるお方であることを。またアッラー*が、赦し深いお方、慈愛深い*お方であることを。

使徒*の義務は、(啓示の)伝達に過ぎない。そしてアッラー*は、あなた方の露わにすることも、隠すことも、ご存知である。

(使徒*よ、)言ってやるがいい。「悪と善は同等ではない。たとえ悪の多さが、(人間よ、)あなたを惹きつけたとしても。ならばーー澄んだ知性の持ち主たちよーー、あなた方が成功するように、アッラー*を畏れ*るのだ」。

信仰する者たちよ、それが自分たちに明らかにされたら、却ってあなた方を害する物事について、尋ねるのではない。そして、クルアーン*が下っている時にその(ような)ことについて尋ねれば、それはあなた方に明示されるのだぞ[1]。アッラー*はそれらのことを、大目に見られた。アッラー*は赦し深いお方、寛大な*お方。

あなた方以前の民は確かに、(自分たちの使徒*に対して)その(ような)ことを尋ねたのであり、その後それに対する否定者となった[1]のだ。

アッラー*が、バヒーラ、サーイバ、ワスィーラ、ハーミー[1](を偶像への捧げものとし、その利用を禁止すること)を定められたのではない。しかし不信仰に陥った者*たちが、アッラー*に対して嘘を捏造するのだ。そして彼らの大半は、分別することがない。

また、彼らは「(法規定を明らかにするため、)アッラー*が下されたものと、使徒*のもとに来るのだ」と言われれば、(こう)言った。「私たちが見出したご先祖様のやり方[1]だけで、私たちには十分」。一体、彼らの先祖は何も知らず、導かれてもいなかったとしても、(そんなことを言うの)か?

信仰する者たちよ、あなた方自身に専念せよ[1]。あなた方が導かれれば、迷った者があなた方を害することはない。アッラー*の御許こそが、あなた方全員の帰り所なのであり、かれは、あなた方にお告げになるのだから。

信仰する者たちよ、あなた方の内の誰かに死が訪れ(そうになっ)たら、遺言の際には、あなた方の内の公正さを備えた男性二人が、あなた方の間の証言[1](をせよ)。あるいは、あなた方以外の二人が、(証言するのだ)[2]。もし、あなた方が地上を旅しており、死の不幸があなた方に降りかかったならば(、そうせよ)。もし、あなた方が(彼らの証言に)疑惑を抱くのであれば、あなた方は礼拝後[3]に彼ら二人を引き止める。そして彼ら二人は、アッラー*において(こう)誓うのだ。「私たちは、これ(誓い)と引き換えに代価を得たりはしない。たとえ親戚であったとしても(、彼らに偏った誓いなどしない)。また、私たちはアッラー*の証言を、隠蔽したりはしない。本当に私たちは、そうすれば、まさに罪悪者となってしまう」。

そして、彼ら(証人)二人が罪に値すること[1]が露見したならば、(遺産への)権利がある者たちの内、最も(遺産に)優先される別の二人が彼ら(証人)二人の場に立ち、アッラー*において(こう)誓う。「私たちの証言こそは、彼らの証言よりも(受け入れられるに)相応しいものである。また、私たちは(自分たちの証言において、権利を)侵犯してはいない。本当に私たちは、そうすれば、まさに不正*者となってしまう」。

それ(らの証言についての規定)が、彼らが(真実に基づいた)本来の形で証言し、あるいは彼らの(嘘の)誓いの後、(その)誓いが、(遺産の権利人たちによって)突き返されてしまうことを怖れ(るようにな)るのに、最適なのである。アッラー*を畏れ*、(かれの訓戒を)聴くのだ。アッラー*は、は、放逸な民をお導きにはならないのである。

(人々よ、)アッラー*が使徒*たちを召集され、(彼らに)こう仰せられる(復活の)日*のこと(を、思い起こすのだ)。「あなた方は、(民をアッラー*の教えに招いた時、)どのような返答を受けたのか?[1]」彼らは申し上げる。「私たちは、全く存じ上げません[2]。あなたこそは、不可視の世界*を熟知されるお方なのですから」。

アッラー*が、(こう)仰せられた時のこと(を思い起こすがよい)。「マルヤム*の子イーサー*よ、あなたとあなたの母に対する、わが恩恵を思い出すのだ。われがあなたを、聖霊[1]によって支えた時のこと。あなたは揺りかごの中(から)でも、壮年になって(から)も、人々に語りかける。また、われがあなたに、書[2]、英知、トーラー*、福音*を教えた時のこと。また、あなたがわが許しによって、泥土で鳥の形のようなものを作り、あなたがそこに息を吹き込んで、それがわが許しによって(本物の)鳥となる時のこと。また、あなたがわが許しにより、生まれつきの盲人とライ病患者[3]を癒す(時のこと)。また、あなたがわが許しによって、死人を(蘇らせ、墓場から)出す時のこと。また、われがイスラーイールの子ら*を、あなたが明証[4]を携えて彼らのもとに到来した時、あなた(の殺害)から阻んだ時のこと。彼らの内の不信仰だった者*たちは、(こう)言ったのだ。『これは、紛れもない魔術に外ならない』。

また(イーサー*よ)、われが(あなたの)弟子たち[1]に、われとわが使徒を信じよ、と示した時のこと(を思い出せ)。彼らは申し上げた。『私たちは信じました。私たちが服従する者(ムスリム*)であることを、証言して下さい』」。

(イーサーの)弟子たちが、(こう)言った時のこと(を思い起こすがよい)。「マルヤム*の子イーサー*よ、あなたの主*は、天から私たちに食卓を下すことが出来ますか?」彼(イーサー*)は言った。「アッラー*を畏れ*よ。もし、あなた方が信仰者であるならば」。

彼らは言った。「私たちはそこから食べ、私たちの心を安らげたいのです。また、あなたが私たちに、確かに真実を語ったことを知り、その証人[1]になりたいのです」。

マルヤム*の子イーサー*は、申し上げた。「アッラー*よ、我らが主*よ、私たちに天から食卓をお下し下さい。それは私たちの代と後代の者たちにとっての祭日となり、あなたからの御徴となるものです。そして私たちに、糧をお授け下さい。あなたは、最もよく糧を授けられるお方です」。

アッラー*は仰せられた。「本当にわれは、それをあなた方に下す者である。そして誰であろうと、その後あなた方の内で不信仰に陥る者*、本当にわれは彼を、全創造物のいかなるものも罰することのない(ような)罰し方で、罰するであろう」。

アッラー*が(復活の日*、こう)仰せられる時のこと(を、思い起こさせよ)。「マルヤム*の子イーサー*よ、一体あなたは人々に『アッラー*とは別に、私と私の母親も二つの神[1]とせよ』などと言ったのか?[2]」彼は申し上げる。「あなたに称え*あれ。私は、自分に権利がないようなことを言うはずがありません。もし、そう言ったとしたら、あなたはそのことについて既にご存知です。あなたは私自身の内にあるものをご存知ですが、私はあなたご自身の内にあるものについて、存知じ上げないのですから。あなたこそは、不可視の世界*を熟知されるお方であられます。

私は彼らに、あなたが命じられたこと、つまり我が主*であり、あなた方の主*であられるアッラー*を崇拝せよ、ということしか言っておりません。また私は、彼らの間に留まっている限り、彼らに対しての証人でした。そして、あなたが私をお召しになってからは[1]、あなたこそが彼らへの監視者だったのです。あなたは、全てのことの証人であられます。

もしあなたが彼らを罰されるとしても、実に彼らは、あなたの僕たちです[1]。そして彼らをお赦しになるとしても、本当にあなたこそは偉力ならびない*お方、英知あふれるお方です」。

アッラー*は仰せられる。「これは、正直者たちを、自分自身の正直さ[1]が益する(復活の)日*。彼らには、彼らがそこにずっと永遠に住むことになる、その下から河川が流れる楽園がある。アッラー*は彼らをお喜びになり、彼らもアッラー*に満足する。それはこの上ない勝利なのだ」。

アッラー*にこそ諸天と大地と、そこにあるものの王権が属する。そしてかれは、全てのことがお出来になるお方なのである。