The Noble Qur'an Encyclopedia
Towards providing reliable exegeses and translations of the meanings of the Noble Qur'an in the world languagesThe Iron [Al-Hadid] - Japanese translation - Saeed Sato
Surah The Iron [Al-Hadid] Ayah 29 Location Madanah Number 57
諸天と大地にあるものは(全て)、アッラー*を称え*る。かれは偉力ならびない*お方、英知あふれる*お方。
かれにこそ、諸天と大地の王権がある。かれは生をお与えになり、死をお与えになるお方。かれは、全てのことがお出来のお方。
かれは最初のお方、最後のお方[1]、(最も)外なる*お方、(最も)内なる*お方。そしてかれは、全てのことをご存知のお方であられる。
かれは諸天と大地を六日間でお創りになり[1]、それから御座に上がられた[2]。かれは大地の中に入り込むものも、そこから出てくるものも、天から落ちてくるものも、そこへ昇っていくもの[3]も、ご存知である。また、かれはあなた方がどこにあろうとも、(その御知識と共に)あなた方と共にあるのだ。アッラー*は、あなた方が行うことに通暁されたお方である。
かれにこそ、諸天と大地の王権があり、かれにこそ(来世の)物事は帰される。
かれは夜を昼の中にお入れになり、昼を夜の中にお入れになる。また死から生を取り出され、生から死を取り出される[1]。そしてかれは、胸中にあるものを(余すことなく)ご存知なのである。
アッラー*とその使徒*(ムハンマド*)を信じ、かれ(アッラー*)があなた方をその継承者としたものの内から、費やせ[1]。あなた方の内で信仰し、費やした者たちには、大いなる褒美があるのだぞ。
使徒*が、あなた方の主*を信じるように招いているというのに、あなた方がアッラー*を信じないのはどうしたことか?かれ(アッラー*)は確かに、あなた方の確約[1]をお取りになったというのに。もし、あなた方が信仰者だというのならば(、信仰に急ぐのだ)。
かれは、あなた方を(不信仰という)闇から(信仰という)光[1]へと出すべく、その僕(ムハンマド*)に明白な御徴[2]を下されたお方。本当にアッラー*は、あなた方に対して実に哀れみ深い*お方、慈愛深い*お方。
あなた方がアッラー*の道において費やさないのは、どういうことか?アッラー*にこそ、諸天と大地の遺産は属する[1]というのに。あなた方の内、(マッカ*)開城[2]の前に費やし、(不信仰者*たちと)戦った者は、(褒美において)同等ではないのだぞ。それらの者たちは、(マッカ開城*の)後に費やし、(不信仰者*たちと)戦った者たちより位が偉大なのだ[3]。そしてアッラー*は、(その両者の内の)いずれにも最善のもの(天国)をお約束されたのであり、アッラー*はあなた方が行うことに通暁されるお方なのである。
アッラー*に、よき貸付[1]をする者は誰か?そうすれば、かれはそれを彼のために倍増して下さるのであり、彼には貴い褒美(天国)がある。
あなたが(地獄の上の架け橋[1]のもとで、)信仰者の男たちと、信仰者の女たちの光が(現世での行いに応じて)、彼らの前方と右手[2]を(彼らと共に)進むのを目にする(復活の)日*。(彼らには、こう言われる。)「この日、あなた方の吉報は、その下から河川が流れる楽園である。(あなた方は)そこに永遠に入ることになるのだ。それこそは、偉大なる勝利である」。
偽信者*の男たちと偽信者*の女たちが、信仰者たちに(こう)言う日。「私たちを待ってくれ。あなた方の光から、灯火を得たい」。(すると彼らには、こう)言われる。「自分たちの後方へと戻って、光を探すがよい」。そして彼らの間には壁[1]が置かれ(、お互いに遮られ)る。そこには扉があり、(信仰者たちのいる)その内側には慈悲があり、その外側の方向には懲罰がある。
彼ら(偽信者*たち)は、彼ら(信仰者たち)を呼ぶ。「私たちは(現世で)、あなた方と一緒だった[1]ではないか?」彼ら(信仰者たち)は言う。「その通り。しかし、あなた方は自分自身を(偽の信仰と罪で)試練にかけ、(預言者*と信仰者たちの死と災難を)待ちわび、(復活への)疑惑に陥った。アッラー*のご命令[2]が到来するまで、根拠もない願望があなた方を欺いたのであり、欺く者[3]があなた方をアッラー*(の寛大さと猶予という口実)によって欺いたのだ」。
ならば(偽信者*たちよ、)この日、(懲罰を免じてものらうための)償いがあなた方からも、不信仰だった者*たちからも、受け入れられることはない。あなた方の住処は業火なのだから。それがあなた方の相応しい場所。その行き先の、何と醜悪なことか。
信仰に入った者たちには、アッラー*の教訓と、真理から下ったもの(クルアーン*)に対して、その心が恭順[1]になる時期はまだ来ないのか?また、以前に啓典を授けられたものの時間が経ってしまい、その心が硬化してしまった者たちのようにならないための(時期は)?彼らの多くは、放逸な者たちだったのである。
知るのだ、アッラー*こそが大地を、その死後に息吹かせられる[1]お方であるということを。われら*はあなた方に対し、確かに(われら*の全能性の)御徴を明らかにした。あなた方が(それを)弁えるように、である。
本当に、(アッラー*の道において)よく施す男たちとよく施す女たちーー彼らは、アッラー*によき貸付[1]をしたのだーーには、(その褒美が)倍増されよう。そして彼らには、貴い糧(天国)があるのだ。
アッラー*とその使徒*を信じた者たち、それらの者たちこそは大そうな正直者[1]また殉教者たちにはアッラー*の御許で(復活の日*)、その報いと光[2]がある。そして不信仰に陥り、われら*の御徴[3]を噓呼ばわりした者たち、それらの者たちは地獄の徒なのだ。
(人々よ、)知るがよい、現世の生活は遊興、戯れごと、飾り、自分たちの間の誇り合い、財産と子供の増やし合いに過ぎない。(それは)あたかも、その植物が農夫[1]たちを喜ばせた慈雨のようである。やがてそれは枯れ、あなたはそれが黄色くなるのを目にし、ついにはそれは木っ端微塵になってしまう。そして来世にこそ、(不信仰者に対する)厳しい懲罰と、(信仰者に対する)アッラー*からのお赦しとお喜びがあるのだ。現世の生活は、偽りの楽しみに過ぎない。[2]
(人々よ、)あなた方の主*からのお赦しと、天国へと向かって競い合え。その広さは、天地の広さもあるかのようであり、アッラー*とその使徒*たちを信じる者たちのために用意されている。それはかれがお望みの者にお与えになる、アッラー*のご恩寵なのだ。アッラー*は偉大な恩寵の主であられる。
地上における、そしてあなた方自身におけるいかなる災難も、われら*がそれを創生[1]する以前に書[2]の中で(予め定めること)なくしては、降りかかることがなかったのだ。実にそれはアッラー*にとって、容易いこと。
(アッラー*がこのように仰せられるのは、)あなた方が、(現世で)自分たちが逃したものゆえに心痛ませたり、かれ(アッラー*)が自分たちに授けて下さったものゆえに、有頂天になったりしないようにするため。アッラー*は(、自分が現世で授かったものゆえに)尊大ぶる者、(他人に対して)高慢ちきな者をお好みにならない。
(彼らは、財産を)出し惜しみし、人々にも吝嗇を勧める者たち。そして(アッラー*への服従に)背を向ける者があっても、(アッラー*はそのような者のことなど意にも介されない、)本当にアッラー*こそは満ち足りておられる*お方、称賛されるべき*お方なのだから。
われら*は確かに、われら*の使徒*たちを明証[1]と共に遣わし、彼らと共に啓典と、人々が公正を行うための秤を下した。またわれら*は、多大な威力と人々への緒益を有する鉄を下した。(それは)アッラー*が、かれ(の宗教)とその使徒*たちをまだ見ぬままに[2]援助する者が誰かを、如実に表し給うためであった。本当にアッラー*は、強力なお方、偉力ならびない*お方であられる。
また、われら*はヌーフ*とイブラーヒーム*を遣わし、彼ら二人の子孫の内に預言者*としての天分と啓典を与えた[1]。そして彼らの内には導かれた者がいる一方、彼らの多くは放逸な者たちなのだ。
それから、われら*は彼ら(ヌーフ*とイブラーヒーム*)の跡をわれら*の使徒*たちに継がせ、マルヤム*の子イーサー*にも継がせて、彼に福音*を授けた。また、彼(イーサー*)に従った者たちの心の中には、哀れみ深さと、慈悲の念を授けた。そして彼らは、われら*が彼らに義務づけたものではない修道生活を、(崇拝*における行き過ぎから勝手に)創始した。ただ、(彼らは)アッラー*のお喜びを求めて(そうしたまで)のことだったのだが、それ(修道生活)に対して真の配慮を払うこともなかった。[1]そしてわれら*は彼らの内の(預言者*ムハンマド*を)信仰した者たちに、その褒美を授けたのだ。彼らの多くは(預言者*ムハンマド*を信じない)放逸な者たちなのだが。
信仰する者たちよ[1]、アッラー*を畏れ*、かれの使徒*を信じよ。かれはあなた方に、そのご慈悲からの倍の取り分をお与えになり、あなた方がそれを携えて歩む光[2]をあなた方に下さり、あなた方のために(罪を)お赦し下さろう。アッラー*は赦し深いお方、慈愛深い*お方。
(アッラー*がそのようにされるのは、)啓典の民*が、自分たちがアッラー*のご恩寵[1]の内、いかなるものに対しても力を有してはいないこと、そして(全ての)恩寵はアッラー*の御手にこそ委ねられており、かれがそれをお望みの者に与えられるということ[2]を、知るためなのである。アッラー*は、偉大なる恩寵の主であられるのだから。