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The Noble Qur'an Encyclopedia

Towards providing reliable exegeses and translations of the meanings of the Noble Qur'an in the world languages

The Spider [Al-Ankaboot] - Japanese translation - Saeed Sato

Surah The Spider [Al-Ankaboot] Ayah 69 Location Maccah Number 29

アリフ・ラーム・ミーム[1]。

一体人々は、「私たちは信仰した」と言うことで、試練にかけられることもなく、放って置かれるとでも思ったのか?[1]

また、われら*は確かに、(使徒*が遣わされた)彼ら以前の者たちを試練にかけたのだ。それでアッラーは、(信仰に)正直な者たちを必ずやご存知になり給い、嘘つきたちを必ずやご存知になり給う。

いや、一体、悪行[1]を行う者たちは、われら*を出し抜けるとでも思ったのか?彼らの判断することの、何と忌まわしいことか?

(来世における)アッラーとの拝謁を望む[1]者は誰でも、(そのために準備せよ、)本当にアッラー*の(復活の)期限は、必ずやって来るのだから。かれは、よくお聞きになるお方。全知者であられる。

そして(アッラー*ゆえに)奮闘する者は誰でも、自分自身のために奮闘しているに過ぎない。本当にアッラー*はいかなる創造物(の行いや崇拝*行為)からも、まさしく満ち足りておられる*お方なのだから。[1]

また、信仰して正しい行い*を行う者たち、われら*は必ずや、その悪行を彼らのために帳消しにしてやる。そして必ずや、彼らが行っていた最善のもので、彼らに報いてやるのだ。

われら*は人間に、自分の両親への孝行を命じた[1]。そしてもし彼ら二人が、あなた[2]が(崇拝*の正当性について)何も知らないものをわれに並べるべく、あなたに執拗に迫って来たならば、(そのことに関しては)彼らに服従するのではない[3]。われにこそ(復活の日*)、あなた方の帰り所があるのだ。そしてわれは、あなた方が(現世で)行っていたことを、あなた方に告げ聞かせ(、それに報い)る。

信仰して正しい行い*を行う者たち、われら*は必ずや彼らに、(天国で)正しい者*たちの仲間入りをさせる。

人々の中には、「私たちはアッラー*を信じた」と言いつつも、アッラー*(の道)において苦しめられれば、人々(から)の試練をあたかもアッラー*の懲罰のように受け止めて(怯み、イスラーム*に背を向けて)しまう者がいる[1]。そして、もしもあなたの主*からの勝利が(信仰者たちに)やって来れば、彼ら(棄教者たち)はきっと(こう)言うのだ。「本当に私たちは、あなた方と共にあったのだ」。一体アッラー*は、全創造物の胸の内[2]を、最もよくご存知なのではないか?

またアッラーは、信仰する者たちを必ずやご存知になり給い、偽信者*たちを必ずやご存知になり給う。[1]

また不信仰に陥った者*たち[1]は、信仰する者たちに言う。「私たちのやり方(宗教)に従って、私たちにあなた方過ち(の罪)を背負わせよ」。彼ら(不信仰者*)は、彼ら(信仰者)の罪など少しも背負うことなどないというのに。本当に彼らは、まさしく嘘つきなのだ。

また彼らはきっと、自分たちの(罪という)重荷と、(彼らが迷わせた民の罪という)別の重荷を、自分たちの重荷と共に背負うことになる[1]。そして彼らは復活の日*、自分たちが捏造していたことについて、必ずや尋ねられることになるのだ。

われら*は確かにヌーフ*をその民に遣わし、彼はその中で(アッラー*の教えへと招きつつ、)千年から五十年差し引いた年月を過ごした[1]。そして(彼らが信じなっかったので、)不正*者であった彼らを、洪水が捕らえた。

そしてわれら*は彼(ヌーフ*)と船の民を救い、それ(船)を全創造物に対する一つの御徴[1]とした。

また、イブラーヒーム*を(遣わした)。彼がその民に(こう)言った時[1]。「アッラー*を崇拝*し、かれを畏れ*よ。それがあなた方にとってより善いのだ。もし、あなた方が知っていたのならば。

あなた方は、アッラー*をよそに彫像を崇め、でっち上げを捏造している[1]に過ぎない。本当に、アッラー*をよそにあなた方が崇めている者たちは、あなた方に対して糧(を授ける力)を有してはいないのだ。ならば、アッラー*の御許にこそ糧を求め、かれを崇拝*し、かれに感謝せよ。かれの御許にこそ、あなた方は戻されるのだから」。

ーー[1]もしあなた方が(使徒*ムハンマド*を)噓つき呼ばわりしたとしても、あなた方以前の共同体も(また、その使徒*たちを)確かに噓つき呼ばわりしたのだ。そして使徒*の義務は、(啓示の)明白なる伝達に外ならないのである。

また彼らは、アッラーがいかに(無から)創造をお始めになるか知らなかったのか?それからかれは、それを(死後に)繰り返しえし給う。本当にそれはアッラーにとって、容易いことなのだから。

(使徒*よ、)言え。「地上を旅し、かれがいかに創造を始められたか、見てみるがよい。それからアッラー*は、(死後の復活という)最後の創造をお創りになるのだ。本当にアッラー*は。全てのことがお出来のお方なのだから」。

かれは、かれがお望みの者を罰せられ、かれがお望みの者にご慈悲をおかけ下さる。そしてかれの御許にこそ、あなた方は戻されるのだ。

(人々よ、)あなた方は地でも天でも、(アッラー*から)逃れられる者ではない。そしてあなた方にはアッラー*の外に、いかなる庇護者も援助者もないのだ。

そしてアッラー*の御徴と、かれとの拝謁を否定した者たち、それらの者たちは(来世において)わが慈悲に絶望することになる者たち。それらの者たち、彼らには痛ましい懲罰があるーー。

そして彼(イブラーヒーム*)の民の返答は、「彼を殺すか、焼いてしまえ」と言うものだけだった。(彼らはイブラーヒーム*を火の中に放り込んだが、)アッラー*は彼を火からお救いになった[1]。本当にその中にはまさしく、信仰する民への御徴がある。

また、彼(イブラーヒーム*)は言った。「本当にあなた方は、現世における自分たちの間の愛情ゆえ[1]、アッラー*をよそに彫像を設けて(崇めて)いる。やがて復活の日*には、あなた方はお互いを否定し合い、お互いに呪い合う[2]のだ。そして、あなた方の住処は業火なのであり、あなた方には(そこから救ってくれる)いかなる援助者もない」。

そしてルート*が彼を信じ、彼(イブラーヒーム*)は言った。「本当に私は、我が主*へと移住*する[1]。本当にかれは、偉力ならびない*お方、英知あふれる*お方」。

またわれら*は、彼(イブラーヒーム*)にイスハーク*とヤァクーブ*を授け、彼の子孫の内に預言者*としての天分と啓典を与えた。また、現世においては彼に褒美[1]を授けた。そして本当に彼は来世において、まさしく正しい者*たちの一人である。

また(われら*は)、ルートを(遣わした)。彼がその民に、(こう)言った時[1]。「一体、本当にあなた方は、全創造物のいかなる者もあなた方以前には行わなかった醜行[2]に、手を染めるというのか?

一体、本当にあなた方は、男性へと赴き[1]、(旅人の)道を阻み[2]、自分たちの集会の場で悪事[3]を犯すのか?」そして彼の民の返答は、「アッラー*の懲罰を、私たちにもたらしてみよ。もし、あなたが正直者の類いなのであれば」と言うものでしかなかった。

彼(ルート*)は言った。「我が主*よ、腐敗*を働く民に対して、私を勝利させて下さい」。

こうして、われら*の使い(天使*)たちが吉報[1]を携えてイブラーヒーム*のもとにやって来た時、彼ら(天使*たち)は言った。「本当に私たちは、この町[2]の民を滅ぼす者である。本当にその民は、不正*者だったのだから」。

彼(イブラーヒーム*)は、言った。「本当にそこには、ルート*がいます」。彼らは言った。「私たちの方が、そこにいる者たちのことをよく知っている。私たちは必ずや、彼とその家族を救い出すのだ。但し、残っ(て滅ぼされ)た者たちの一人となる、彼の妻だけは別だが」。[1]

こうして、われら*の使いたちがルート*のもとにやって来た時[1]、彼(ルート*)は彼らのことで気が滅入り、心苦しくなった。そして、彼らは(ルート*に)言った。「怖れることも、悲しむこともありません。本当に私たちは、あなたとあなたの家族の救い手なのです。但し、残っ(て滅ぼされ)た者たちの一人となる、あなたの妻は別です。

本当に私たちはこの町の民に、彼らが放逸であったことゆえの(罰の)制裁を、天から下す者なのです」。

そしてわれら*はそこから確かに、分別する民に対して明らかな御徴[1]を残しておいた。

またマドゥヤン*には、その同胞シュアイブ*を(遣わした)[1]。そして彼は言った。「我が民よ、アッラー*を畏れ*、最後の日*を望む[2]のだ。そして腐敗を働きつつ、地上で退廃を広めてはならない」。

すると彼らは、彼を噓つき呼ばわりした。それで彼らを激震が捕らえ[1]、彼らは朝、その地で突っ伏して(死んで)いた。

また、アード*とサムード*も(、われらを滅ぼした)。彼らの住まいの一部は、あなた方に確かに明らかになっている。シャイターン*が彼らに、彼らの行いを目映く見せ、彼らを(アッラー*の)道から阻んだのだ。彼らは、(真理を見極める)見識を備えた者たち[1]だったというのに。

またカールーン、フィルアウン*、ハーマーン(も滅ぼした)[1]。彼らのもとには確かにムーサー*が(奇跡という)明証を携えて到来したのに、驕り高ぶったのだ。そして彼らは、(われら*を)出し抜ける者たちではなかった。

われら*は(彼らの内の)いずれの者も、その罪ゆえに(懲罰で)捕らえた。そしてその中には、われら*が石礫を降らせた者もあり、またその中には、(轟く)一声が捕らえた者もあり、またその中には、われら*が地面に飲み込ませた者もあり、またその中には、われら*が溺れさせた者もある[1]。そしてアッラー*が、彼らに対して不正*を働かれることなどは、もとよりあり得ないことだったのだ。しかし彼らが自分自身に、不正*を働いていたのである。

アッラー*をよそに庇護者を設ける者たちの様子は、巣を作る蜘蛛の様子に似ている。本当に最も脆い住処は、蜘蛛の巣だというのに[1]。彼らが(そのことを)知っていたならば(、彼らを庇護者などとはしなかっただろう)。

本当にアッラー*は、彼らがかれをよそに祈っているいかなるものも、ご存知なのだ[1]。かれは、偉力ならびない*お方、英知あふれる*お方。

そしてわれら*は人々にそれらの譬えを挙げるが、それらを理解するのは(アッラー*とその御徴、その教えについて)知識ある者たちだけである。

アッラー*は諸天と大地を、真理と共にお創りになった[1]本当にそこ(それらの創造)には、まさしく信仰者たちへの御徴[2]がある。

あなたに啓典の内から啓示されたものを読誦[1]し、礼拝を遵守*せよ。実に礼拝は、醜行と悪事[2]を禁じるのだから。そして、アッラー*の唱念こそは(何)より偉大[3]であり、アッラー*はあなた方の成すことをご存知なのだ。

(信仰者たちよ、)最善の形[1]でなくして、啓典の民*と議論してはならない。但し彼らの内でも、不正*を働いた者たち[2]は別である。そして、言うのだ「私たちは自分たちに下されたもの[3]を信じる。また、私たちの神[4]と、あなた方の神は一つであり、私たちはかれ(アッラー*)に服従する者(ムスリム*)なのである」。

そのように(使徒*よ)、われら*はあなたに啓典(クルアーン*)を下した。そして、われら*が啓典を授けた者たち(啓典の民*)はそれを信じ、それらの者たち[1]の一部にも、それを信じる者がいる。不信仰者*たち以外は、われら*の御徴[2]を否定しないのだ。

また(使徒*よ)、あなたはそれ(が下がる)以前、いかなる書も誦んでいなければ、あなたの右手でそれを書いてもいなかったのだ。そうであったなら、(真実を)虚妄とする者たちは、疑惑に陥ったであろう。[1]

いや、それ(クルアーン*)は知識を授けられた者たちの胸の内にある、(真理)解明の御徴なのである。そして不正*者たち以外、われら*の御徴を否定することはない。

彼ら(シルク*の徒)は、言った。「どうして彼(ムハンマド*)に、その主*から御徴[1]が下されないのか?」(使徒*よ、)言え。「御徴は、アッラー*の御許にこそある。そして私は、明白なる警告者でしかないのだ。

(使徒*よ、あなたの正直さの証明は、)われら*があなたに、彼らに対して読誦される啓典(クルアーン*)を下したことだけで、彼らには十分だったのではないか?実にその中にはまさしく、信仰する民にとっての慈悲と教訓がある。

(使徒*よ、)言うのだ。「アッラー*だけで、私とあなた方の間の証人は十分。かれは諸天と大地にあるものをご存知なのだ。そして虚妄を信じ、アッラー*を否定した者たち、それらの者たちこそは損失者なのである」。

(使徒*よ、)彼らはあなたに、懲罰を(下すことを)性急に求める[1]。そして定められた期限さえなければ、懲罰は彼らのもとに到来したのである。それは必ずや、彼らが気付かないままに、彼らのもとを突然訪れるのだ。

彼らはあなたに、懲罰を(下すことを)性急に求める。本当に地獄は、不信仰者*たちをまさに包囲しているというのに。

懲罰が彼らをその(頭)上から、そしてその足元から覆い込む、(復活の)その日。かれ(アッラー*)は、仰せられるのだ。「あなた方が(現世で)行っていたこと(の報い)を味わえ」。

信仰するわが僕たちよ、本当に我が大地は広いのだ[1]。ならば(移住*し)、われをこそ崇拝*せよ。

全ての者は死を味わうのだ。それからあなた方は、(清算のため、)われらのもとへと戻される。

信仰し正しい行い*を行う者たち、われら*は必ずや彼らを、その下から河川が流れる楽園の高き住まいに、永遠に住まわせよう。(アッラー*の服従行為を)行っていた者たちの褒美は、何と素晴らしいことか。

(彼らは)忍耐*し、その主*にこそ、全てを委ねる*者たち。

自らの糧を調達することのない、どれほど多くの地を歩む生き物に対し、アッラー*は糧を授けられることか?[1]そしてあなた方にも?かれはよくお聞きになるお方、全知者であられる。

(使徒*よ、)もしも、あなたが彼ら(シルク*の徒)に「諸天と大地をお創りになり、太陽と月を仕えさせられたお方は誰なのか?」と尋ねれば、彼らは決まって(こう)言うのだ。「アッラー*である」。ならば一体、どうしてあなた方は(アッラー*の信仰から)背かされるのか?

アッラー*はその僕たちの内、かれがお望みの者に糧を豊富に与えられ、また(かれがお望みになる)外の者には控えられる[1]。本当にアッラー*は、全てのことをご存知のお方なのだ。

また(使徒*よ)、もしもあなたが彼ら(シルク*の徒)に、「天から(雨)水を降らしになり、それによって大地を、その死後に息吹かせられた[1]のは誰か?と尋ねれば、彼らは決まって(こう)言うのだ。「アッラー*である」。言ってやれ。「アッラー*に称賛*あれ」。いや、彼らの大半は弁えない。

この現世の生活は戯れごとと遊興に過ぎない[1]。そして本当に来世の住まい、それこそが(真の)生なのである。もし彼らが(そのことを)知っていたならば。

彼ら(不信仰者*)が船に乗っ(て転覆を怖れ)た時には、アッラー*だけに真摯に崇拝*を捧げつつ[1]、かれに祈るのだ。そして、かれが自分たちのことを陸地に救って下さった時には、どうであろう、シルク*を犯すのである。

こうして彼らは、われら*が彼に与えたもの[1]に対して恩知らずとなり、(再び現世で)楽しむのだ。彼らはやがて、(自分たちの行いの悪い結果を)知ることになる。

一体、彼ら(不信仰者*)は、われら*が安全なる聖域[1]を設けたのを、見ないのか?その周りから、人々は攫われている[2]というのに。一体、彼らは虚妄をこそ信じ、アッラー*の恩恵については恩知らずであるというのか?[3]

アッラー*に対して嘘をでっち上げた者よりも、ひどい不正*を働く者があろうか?あるいは真理を、それが自分のもとに到来した後、嘘呼ばわりした者よりも?地獄にこそ、不信仰者*たちの住処があるのではないか?

われら*において努力奮闘する者[1]たち、われら*は必ずや彼らを、われら*の道[2]へと導こう。そして本当にアッラー*は、善を尽くす者たちとまさしく共にあるのだ[3]。