The Noble Qur'an Encyclopedia
Towards providing reliable exegeses and translations of the meanings of the Noble Qur'an in the world languagesThe cattle [Al-Anaam] - Japanese translation - Saeed Sato
Surah The cattle [Al-Anaam] Ayah 165 Location Maccah Number 6
諸天と大地を創造され、闇と光[1]をお創りになったアッラー*に、称賛*あれ。その後に及んで不信仰に陥った者*たちは、自分たちの主*に対して(かれ以外のものを)並べている[2]。
かれは、あなた方(の父租アーダム*)を泥土からお創りになり[1]、それから(あなた方の)寿命を決定されたお方。そして定められた時期[2](の知識)は、かれの御許にある。その後に及んで、あなた方は(死後の復活を)疑わしく思っているのだ。
そしてかれは、諸天と大地において(真に)崇拝*されるべきお方。あなた方が密かにすることも、露わにすることもご存知であり、あなた方が稼ぐもの[1]もご存知である。
彼らの主*の御徴[1]の内、いかなる御徴が彼らのもとに到来した時でも、彼らがそれに背を向けないことはなかった。
彼らは真理(クルアーン*)を、それが自分たちのもとに到来した時、嘘呼ばわりしたのだから。ならば、いずれ彼らのもとには、彼らが嘲笑していたものの知らせが(事実として)やって来るであろう。
一体彼らは、われら*が彼ら以前に、どれだけ多くの(不信仰な)世代を滅ぼしてきたかを、知らないのか?われら*は地上において彼らに、あなた方には授けなかった力を授けた。また、われら*は彼らに豊かな雨を送り、彼らの下からは河川を走らせた。にも関わらず(彼らは不信仰に陥ったので、)われら*は彼らをその罪ゆえに滅ぼし、彼らの後に別の世代を設けたのである。
(使徒*よ、)たとえわれら*が、あなたに啓典を書面で下し、彼らがそれに自分たちの手で触れたとしても、不信仰に陥った者*たちは(こう)言ったであろう。「これは紛れもない魔術に外ならない」。
また、彼らは言った。「どうして彼に、(彼が使徒*であることを証言する)天使*が下らないのか?」もしわれら*が天使*を下したら、事は決定されてしまった[1]であろう。その後、彼らは、猶予を与えられることものないのだ。
また、もし彼(使徒*)を天使*としたならば、われら*は彼(その天使)を人(の姿)としたのである。そしてわれら*は、彼らが(自分たちを)惑わしているもので、彼らを惑わすことになっただろう[1]。
あなた以前の使徒*たちもまた、確かに嘲笑されたのである。それで彼らの内の嘲っていた者たちを、彼らが嘲笑していたもの(懲罰)が包囲したのだ。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「地上を旅し、それから(使徒*たちを)嘘呼ばわりした者たちの結末がどのようなものであったか、見てみるがよい」。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「諸天と大地にあるものは、誰に属しているのか?」言うのだ。「アッラー*に属する」。アッラー*はご自身に、慈悲を定められた[1]。かれは疑惑の余地のない復活の日*に、必ずやあなた方を召集される。自らを(シルク*で)損ねた者たち、彼らは信じないのである。
夜と昼に静止するもの(と動くもの)[1]は(全て)、かれにこそ属する。かれはよくお聴きになるお方、全知者であられる。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私が、諸天と大地の創成者*アッラー*以外のものを、庇護者*とすることなどあろうか?かれは養い給うお方であって、養われるお方ではないというのに」。言うのだ。「私は(この共同体において)、服従する者(ムスリム*)の先駆けとなることを命じられたのである。(私は、こう命じられたのだ。)『決して、シルク*の徒の類いとなってはならない』」。
(使徒*よ、)言うがよい。「本当に私は、もし我が主*に逆らったりしたら、この上ない(復活の)日*の懲罰(が自分に降りかかること)を怖れる」。
その日、それ(懲罰)から遠ざけられる者があれば、かれ(アッラー*)は確かに、その者にご慈悲をおかけになったことになる。そしてそれが、明白な勝利なのである。
(人間よ、)もしアッラー*があなたに害悪[1]をお与えになれば、それを取り除いてくれる者は、かれ以外にはいらっしゃらない。また、かれがあなたに善[2]をお与えになるとしても(、それを阻む者はなく)、かれは全てのことがお出来になるお方なのだ。
かれはその僕たちの上に君臨される*お方であり、また、かれは英知あふれる*お方、(全てに)通暁されているお方。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「何が最大の証拠[1]であるか?」言うのだ。「アッラー*が、私とあなた方の間の証人であられる。そしてこのクルアーン*は、私がそれであなた方と、それが届いた全ての者に警告を告げるため、私に啓示されたのだ。一体、本当にあなた方は、アッラー*と共に別の神々[2]が存在すると証言するのか?」(使徒*よ、)言え。「私は(そのようなことを)証言しない」。言うのだ。「かれこそは、唯一の崇拝*されるべきお方であられる。そして本当に私は、あなた方が(アッラー*の崇拝*において)シルク*を犯しているものから無縁なのだ」。
われら*が啓典を授けた者*たちは、彼のことを自分たちの子供を知るように(よく)知っている[1]。自らを(不信仰で)損ねた者たち、彼らは信じないのである。
アッラー*に対して嘘を捏造し、その御徴を嘘とする者[1]よりも、ひどい不正*を働く者がいようか?本当に不正*者たちは、成功しないのである。
われら*が彼らを皆召集し、それからシルク*を犯していた者たちに、(こう)言う日[1]のこと(を思い起こさせよ)。「あなた方が主張していた[2]、あなた方(がアッラー*)の同位者(としていたもの)たちはどこにいるのか?」
それから彼らの試練(に対する答え)は、「我らが主*アッラー*に誓って、私たちはシルク*の徒ではありませんでした」と言うことのみであった。
見よ、彼らがいかに自分自身を偽ったかを。そして彼らが(執り成し手として)でっち上げていたものは、彼らから消え去ってしまったのだ。
(使徒*よ、)彼らの内には、あなたに耳を傾ける者もいる。われら*は、彼らがそれ(クルアーン*)を理解出来ないように、彼らの心には覆いを、その耳には重しをかけた[1]というのに。そして、たとえいかなる御徴[2]を目にしても、彼らはそれを信仰しない。果ては(御徴を見た挙句、)あなたのもとに議論を吹っ掛けながらやって来ると、不信仰に陥った者*たちは(こう)言うのだ。「これは、昔の人たちのお伽噺に過ぎない」。
また、彼らは(人々に)それ[1]を禁じ、自分たちもまたそれから遠ざかる。彼らは気付かないまま、自分自身を滅ぼしているに外ならない。
(使徒*よ、)もし、あなたが目にしたならば。彼らが(地獄の)業火の上に留まらされ、(こう)言う時のことを。「ああ、私たちが(現世に)戻され、我が主*の御徴を嘘呼ばわりせず、信仰者たちの仲間となれたなら!」[1]
いや、(その日は)かつて彼らが隠していたこと[1]が、彼らの前で露呈するのだ。そしてたとえ(現世に)戻されたとしても、彼らは禁じられたことに立ち返るのである。本当に彼らは、まさしく嘘つきなのだ。
また彼ら(シルクの徒*)は、言った。「それ[1]は、私たちの現世の生活以外にはない。そして私たちは、蘇らされる身などではないのだ」。
(使徒*よ、)彼らが(復活の日*、)その主*の御前に立たされる時のことを、あなたが目にしたならば。かれ(アッラー*)は仰せられる。「一体これ(死後の復活)は、真実ではないのか?」彼らは言う。「我らが主*に誓って、確かにそうです」。かれは仰せられる。「ならば、あなた方が(アッラー*とその使徒*を)否定していたことゆえに、懲罰を味わうがよい」。
アッラー*との拝謁を嘘とした者たちは、確かに損失したのだ。やがて(復活の)その時が彼らのもとを不慮に訪れると、彼らは(罪という)重荷をその背に負いながら(、こう)言う。「ああ、私たちがそこ(現世)で疎かにしていたこと[1]への、私たちの悲痛よ!」彼らが背負っているものは、何と忌まわしいものではないか。
現世の生活は、遊興と戯れごとに過ぎない[1]。そして来世の住まいこそは、(アッラー*を)畏れる*者たちにとって、より善いのである。一体あなた方は、弁えないのか?
われら*は、本当に彼らの言うことがあなたを悲しませることを、確かに知っている。(だが、悲しむのではない。)というのも、彼らは(確信をもって)あなたを嘘つき呼ばわりしているのではないのだ。だが不正*者たちはアッラー*の御徴を、否定しているのである[1]。
また、あなた以前の使徒*たちも、確かに嘘つき呼ばわりされたのだ。それで彼らは、自分たちにわれら*の勝利が到来するまで、嘘つき呼ばわりされたり迫害されたりすることに忍耐*し続けたのである。そしてアッラー*の御言葉[1]を変更するものは、何一つない。(使徒*よ、)あなたのもとには、(あなた以前に)遣わされた者たちの知らせ[2]の一部が、確かに届いたのだ。
また、(使徒*よ、)もし彼らの拒絶があなたにとって過酷だというなら、もしあなたが地面に穴を、あるいは天に梯子を求め[1]、彼らに(自分の正しさを証明する)御徴をもたらすことが出来るのならば、(、そうしてみよ)[2]。そして、もしアッラー*がお望みなら、彼らを導きのもとに一同にさせたのだ。ならばあなた[3]は決して、(無闇に悲しみを募らせる)無知な者たちの類いとなるのではない。
(使徒*よ、あなたの呼びかけに)応えるのは、聴き入れる者たちだけである。そして死人たち、アッラー*は彼らを蘇らされるのだ。それから彼らは、かれの御許にこそ戻される。
彼ら(シルク*の徒)は、言った。「どうして彼(ムハンマド*)に、その主*からの御徴[1]が下らないのか?」(使徒*よ、)言ってやるがいい。「本当にアッラー*は御徴を下すことがお出来のお方。だが彼らの大半は、(奇跡が起きるかどうかは、アッラー*の英知に任されているということを)知らないのだ」。
地を歩くいかなるものも、その双翼で飛ぶいかなるものも、あなた方のような共同体でないものは皆無である[1]。われら*がその書[2]の中で定め残したことなど、何一つないのだ。それから彼らは、自分たちの主*の御許にこそ、召集される。
われら*の御徴を嘘呼ばわりする者たちは、聾で唖[1]で、闇の中。アッラー*は誰であろうと、かれがお望みの者を迷わせられる。また誰であろうと、かれがお望みの者を、まっすぐな道の上に置かれるのだ。
(使徒*よ、シルク*の徒に)言ってやるがいい。「言ってみよ。もしあなた方にアッラー*の懲罰がやって来たり、あるいはあなた方に(復活の)時が訪れたりしたら、一体あなた方は、アッラー*以外のものに祈るのか?もしあなた方が、本当のこと[1]を言っているなら(、そうしてみよ)。
いや、あなた方は(その時、)かれ(アッラー*)にのみ祈るのであり、それでかれは、あなた方がかれに(その除去を)祈っているものを、取り除いて下さるーーかれがお望みになれば、だがーー。そしてあなた方は(その時)、自分たちが(アッラー*の崇拝*において、)シルク*を犯しているものを忘れるのだ」。
(使徒*よ、)われら*は確かに、あなた以前の共同体に(使徒*たちを)遣わした。そして(彼らが使徒*たちを嘘つき呼ばわりすると、)われら*は彼らが(われら*のみに)おそれ畏まるよう、困窮と災難で彼らを捕らえた。
そして、どうして彼らのもとにわれら*の猛威[1]が到来した時、彼らは(われら*に)おそれ畏まらなかったのか?しかし彼らの心は硬化し、シャイターン*は彼らが行っていたことを彼らに目映く見せたのだ。
それで彼らが諭されていたものを忘れた[1]時、われら*は全ての(糧の)扉を彼らに開放した[2]。ついには自分たちに与えられたものに有頂天になった時、われら*は彼らを突然(懲罰で)捕らえたのだ。するとどうであろう、彼らは落胆する者たちとなる。
こうして不正*を働いた民は、一人残さず根こそぎにされた。全創造物の主*、アッラー*に称賛あれ。
(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやるのだ。「言ってみよ。もしアッラー*があなた方の聴覚と視覚を奪われ、あなた方の心を塞がれたら[1]、一体アッラー*以外のいかなる神[2]が、それをあなた方に与えてくれるのか?」見よ、われら*がいかに御徴[3]を多彩に示し、その後に及んで、彼らが(その熟慮を)拒絶するのかを。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「言ってみよ。もしアッラー*の懲罰が突然に、あるいは、まざまざと[1]あなた方に到来しても、一体不正*者である民以外、滅ぼされることがあろうか?」
われら*が遣わされる者(使徒*)たちを遣わすのは、吉報を伝え、警告を告げる者[1]としてに外ならない。それで誰であろうと、信仰して(行いを)正す者、彼らには怖れもなければ、悲しむこともない[2]。
そして、われら*の御徴[1]を嘘呼ばわりした者たち、彼らには、彼らが放逸であったことゆえに懲罰が降りかかるのだ。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私はあなた方に、自分にはアッラー*の(数々の)宝庫があるなどとは言っていないし、不可視の世界*も知らない[1]。またあなた方に、自分こそは天使*だ、とも言ってはいない。私は、自分に啓示されることに従っているだけなのだ」。言うがいい。「盲人と見える者[2]は、同じであろうか?そして一体、あなた方は熟考しないのか?」
また(使徒*よ)、自分たちの主*の御許へーーかれの外、庇護者*も執り成し手もいないという状態でーー召集されることを怖れている者たちが、(アッラー*を)畏れる*ようになるように、それ(クルアーン*)で警告するがよい。
そして(預言者*よ、)朝に夕に、その主*の御顔を望んでかれに祈る者たちを、追い払ってはならない[1]。あなたに彼らの詮索をする必要は一切なく、彼らにもあなたの詮索をする必要は一切ないのだ[2]。ゆえに彼らを追い払って、不正*者たちの類いとなってしまってはならない。
同様に、われら*は彼らをお互いに試練にかけた[1]。その結果、彼らは、「一体、アッラー*は私たちの間から、これらの(弱小な)者たち(を選んで特別)に(導きを)お恵みになったというのか?」と言ったのである[2]。一体アッラー*が、(かれの恩恵に)感謝する者たちを、最もよくご存知なのではないか?
また(預言者*よ)、われら*の御徴[1]を信じる者たち[2]があなたのもとにやって来た時には、(こう)言うがよい。「あなた方に平安を[3]。あなた方の主*は、ご自身に慈悲をお定めになった⁴。本当に誰であろうと、あなた方の内で無知から悪を行ってしまい、それからその後に悔悟して(行いを)正した者、実にかれ(アッラー*)は(そのような者に対し、)赦し深いお方、慈愛深い*お方なのである」。
同様にわれら*は、御徴[1]を明らかにする。そして(それは真理が露わになり、)罪悪者たちの道が浮き彫りになるためなのだ。
(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやるがいい。「本当に私は、あなた方がアッラー*を差しおいて崇めている者たちを崇拝*することを、禁じられたのだ」。言うのだ。「私は、あなた方の私欲には従わない。そんなことをすれば私は確かに迷い去り、導かれた者の一人ではなくなってしまうのだから」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「本当に私は、自分の主*からの明証に依拠している[1]。あなた方は(確かに)、それを嘘呼ばわりしたのだが。私には、あなた方が性急に求めているもの[2](を実現させる力)などない。(懲罰の時期についての)裁決は、真理を仰り、最善の裁き手であられるアッラー*にのみ属するのだから」。
(使徒*よ、)言うがいい。「もし私に、あなた方が性急に求めているもの[1](を実現させる力)があったのならば、私とあなた方の間の問題は片がつけられたであろう。アッラー*は不正*者たちのことを、最もよくご存知であられる」。
また、かれ(アッラー*)以外に知る者はない不可視の世界*の鍵[1]は、かれの御許にこそある。またかれは、陸と海にあるものも(全て)ご存知である。そしてかれがご存知にならずしては、葉一枚も落ちることがない。また、地面の暗闇の中にある種一粒であっても、あるいは湿っているものでも、乾いているもの[2]でも。(それらのことで)明白な書[3]の中に(記録されて)ないものは、ないのだ[4]。
また、かれは夜にあなた方(の魂)を召され[1]、あなた方が昼に稼いだものをご存知になるお方。それからかれは、(現世での)定められた期間が全うされるべく、(その魂を再び身体に戻すことで、)あなた方をそこ(昼)において蘇らされる。その後かれの御許にこそ、あなた方の帰り所があるのであり、それからかれは、あなた方が(現世で)行っていたことについて、あなた方にお告げになるのだ。
また、かれはその僕たちの上に君臨される*お方であり、あなた方に記録者たち[1]を遣わされる。やがてあなた方の誰かに死が訪れれば、われら*の使いたち[2]は抜かりなく、彼(の魂)を召すのだ。
それから彼らは、自分たちの真の庇護者*であるアッラー*の御許へと戻される。(その日の)裁決は、かれのみに属するのではないか。かれは、最も早く計算される*お方である。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「(人目をはばからず)畏まり、そして密かに(こう)祈るあなた方を、陸と海の闇[1]から救って下さるのは誰なのか?『かれ(アッラー*)が、もしも私たちをここから救って下さったら、私たちは必ずや(かれのみを崇拝*することで、)感謝する者になります』」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「アッラー*がそこから、そしてあらゆる苦悩から、あなた方をお救い下さるのだ。その後に及んで、あなた方はシルク*を犯すのである」。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「かれはあなた方の頭上から、またはあなた方の足元から、あなた方に懲罰をもたらすこと[1]も、あるいはあなた方を惑わせて分裂させ、互いに(争わせて)痛い目にあわせることもお出来のお方」。見よ、彼らが理解するようにと、われら*がいかに御徴を多彩に示すかを。
あなたの民は、それ[1]を嘘呼ばわりした。それは真理であるというのに。言ってやるのだ。「私は、あなた方の代理人[2]などではない」。
いかなる話にも、帰結がある。やがてあなた方は、(懲罰という自分たちの最後を)知るだろう。
(使徒*よ、)われら*の御徴(アーヤ*)について(嘘と嘲笑をもって)喋っている者たちを目にしたら、彼らがそれとは別の話題に移るまで、彼らから離れよ。そして、もしシャイターン*があなたに(、それが禁止されているのを)忘れさせてしまうことがあっても、思い出した後には、不正*者である民と同席してはならない[1]。
そして(アッラー*を)畏れる*者たちは、彼らの勘定[1]において、いかなる責任も問われない。しかし彼らが(アッラー*を)畏れる*べく、訓戒を(与えよ)。
(使徒*よ、)自分たちの宗教[1]を遊興と戯れごととし、現世の生活に欺かれた者たちは、放っておけ。また、人が自分で稼いだもの[2]ゆえに(あらゆる善を)差し止められぬよう、それ(クルアーン*)で教訓を与えよ。彼にはアッラー*の外、いかなる庇護者*も執り成し手もないのだ。また、たとえあらゆる代償を払っても、彼から受け入れてはもらえない。それらの者たちは、自分の稼いだものゆえ、(あらゆる善を)差し止められた者たちである。彼らには、彼らが不信仰に陥っていたことゆえの、煮えたぎる湯の飲み物と、痛ましい懲罰があるのだ。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「一体私たちが、アッラー*を差しおいて、私たちを益することもなければ、害することもないものに祈るというのか?また、アッラー*が私たちを導かれた後に、私たちが自分たちの後方へ引き返す[1]とでも?ちょうど、『私たちのもとに来なさい』と導きに呼びかける(信仰者の)仲間たちがあるにも関わらず、シャイターン*どもに唆され、地上で迷ってしまった者のように?」言うのだ。「本当にアッラー*のお導きこそ、(真の)導きである。そして私たちは、全創造物の主*に服従(イスラーム*)するよう命じられたのだ」。
また(、私たちは)礼拝を遵守*し、かれを畏れ*よ、と(命じられた)。かれは(復活の日*)、あなた方がその御許へと召集されるお方である。
また、かれは、真実によって諸天と大地をお創りになったお方[1]。かれが「あれ」と仰せられれば、即そのようになる(復活の)日*のこと(を思い起こさせよ)。かれの御言葉は、真実。角笛に吹き込まれるその日[2]、かれにこそ王権は属する[3]。(かれは)不可視の世界*も、現象界[4]もご存知のお方。そしてかれは、英知あふれる*お方、(全てに)通暁されたお方なのだ。
イブラーヒーム*がその父アーザルに対し、(こう)言った時のこと(を思い起こさせよ)。「一体あなたは、偶像を神[1]とするのですか?本当に私は、あなたとあなたの民が、紛れもない迷妄の中にあるとお見受けします」。
また同様に、われら*はイブラーヒーム*に諸天と大地の絶対なる王権を見せた[1]。(それは彼がそれによって証明し、)彼が(アッラーの唯一性*について)確信する者の一人となるためであった。
そして夜の帳が彼の上に下りた時、彼は星を見た。彼は(民に向かって)言った[1]。「これが我が主*だ」。そしてそれが姿を消した時、彼は言った。「私は、消え行くものが好きではない」。
また、月が昇るのを見た時、彼は言った。「これが我が主*だ」。そしてそれが姿を消した時、彼は言った。「もしも、我が主*が私をお導きにならなければ、私は必ずや、迷い去った民の類いとなってしまうだろう」。
それから太陽が昇るのを見た時、彼は言った。「これが我が主*だ。これは(前者)より大きい」。そしてそれが姿を消した時、彼は言った。「我が民よ、本当に私は、あなた方が(アッラー*に)並べて(崇めて)いるものとは無縁なのだ。
本当に私は、諸天と大地を創成されたお方[1]に、我が顔を純正に向ける[2]。そして私は、シルク*の徒の類いではないのだ」。
彼の民は、彼と言い争った。彼は言った。「一体あなた方は、アッラー(の唯一性*)について、私と言い争うというのか?かれは確かに、私をお導きになったというのに。私は、あなた方が(アッラー*に)並べて(崇めて)いるもの(の害)など、怖れてはいない。ただ、我が主*が何か(私を罰されるようなこと)をお望みになるのなら、別だが。我が主*は(その)知識で、全てのものを網羅されているのだ。一体あなた方は、教訓を得ないのか?
また、どうして私が、あなた方が(アッラー*に)並べて(崇めて)いるものを怖れようか?あなた方はアッラー*に対し、かれが(崇拝*すべき)いかなる根拠も下されなかったものを並べ(て崇め)ることを、怖れてはいない。ならば二派[1]の内のいずれが、(アッラー*の懲罰から)より安泰であるというのか?もし、あなた方が知っているのならば(、だが)」。
信仰し、その信仰に、いかなる不正*[1]も混じえない者たち、そのような者たちにこそ安泰があるのであり、彼らは導かれた者たちなのだ。
それが、われら*がイブラーヒーム*に、その民に対して、授けた論拠である。われら*は、われら*が望む者の位を上げるのだ。本当にあなたの主*は、英知あふれる*お方、全知者であられるのだから。
また、われら*は彼にイスハーク*とヤァクーブ*を恵み、(その)いずれをも導いた。また(彼ら)以前に、ヌーフ*も導いた。そしてその子孫であるダーウード*、スライマーン*、アイユーブ*、ユースフ*、ムーサー*、ハールーン*も。同様にわれら*は、善を尽くす者[1]たちに報いるのだ。
またザカリーヤー*、ヤヒヤー*、イーサー*、イルヤース*も(導いた)。(彼らは)皆、正しい者*たちの仲間であった。
そしてイスマイール*、アル=ヤサゥ*、ユーヌス*、ルート*も(導いた)。彼ら全員を、われら*は外のいかなる者よりも引き立てた[1]のだ。
また彼らの先祖、子孫、兄弟の内からも(導いた)。そしてわれら*は彼らを選り抜き、彼らをまっすぐな道へと導いたのだ。
それはアッラー*のお導きであり、かれはその僕たちの内から、かれがお望みになる者をそれで導かれる。そして、もし彼らがシルク*を犯したら、彼らが行っていたことは彼らにとって台無しになるのだ。
それらの(預言)者*たちは、われら*が啓典と英知と預言者*としての天分を授けた者たちである。それで、もしこれらの(不信仰)者*たちがそれ[1]を否定するのなら、われら*はそれを否定しない(別の)民[2]に、それを確かに委ねるであろう。
それらの者たちは、アッラー*がお導き下さった者たち。ならば(使徒*よ)、彼らの導きをこそ踏襲するのだ。言うがよい。「私はそのことゆえに、あなた方に見返り[1]を求めているわけではない。それは全世界への教訓に外ならないのだから」。
彼らは、彼らが「アッラー*は人間に、何もお下しにはならなかった」と言った時、アッラー*を真に敬わなかった。(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやるがいい。「ムーサー*が人々への光と導きとして携えて来た啓典(トーラー*)を下したのは、一体誰なのか?あなた方[1]はそれを(分断された)紙片に記している。あなた方はそれ(の一部)は公にし、多くの部分[2]は隠蔽しているのだ。あなた方(アラブ人)は、あなた方自身も自分たちの先祖も知らなかったことを、(クルアーン*によって)教わったというのに」。言ってやるのだ。「(それを下したのは、)アッラー*である」。それから彼らを、その戯言の中でふざけるままに、放っておくのだ。
これ(クルアーン*)は、われら*が下した、祝福にあふれ、それ以前のものを確証する啓典である。また、あなたが都市の母と、その周辺[1]にいる者へ警告を告げるために(、われら*はそれを下した)。そして来世を信じる者は、自分たちの礼拝を遵守*しつつ、それを信じるのだ。
一体、アッラー*に対して嘘を捏造したり、自分には何も下っていないのに「私に啓示が下った」と言ったり、あるいは「アッラー*が下したようなものを、下してやろう」などと言った者よりも、ひどい不正*を働く者があろうか?(使徒*よ、)もしあなたが、不正*者たちが死の苦悶の中にあり、天使*たち[1]が彼らに手を伸ばす時のことを見るのならば!(天使*たちは、言う。)「あなた方の魂を、出せ[2]。この日あなた方は、自分たちがアッラー*に対して真実ではないことを語っていたことと、かれの御徴に対して奢り高ぶっていたことゆえに、屈辱の懲罰で報われるのだ」。
(復活の日*、彼らにはこう言われる。)「あなた方は確かに、われら*があなた方を最初に創った時のように、われら*のもとに一人きりでやって来た[1]。われら*が(現世で)あなた方に授けた者を、自分たちの背後に置き去りにして。そしてわれら*は(この日、)あなた方が、自分たち(の崇拝*)における(アッラー*の)同位者であると主張していたあなた方の執り成し手[2]を、あなた方と共に見出すことはない。あなた方の間(の関係)は既に断絶し、あなた方が主張していたものは、あなた方から消え失せてしまったのだ」。
本当にアッラー*は、種粒と種子[1]を裂かれ(、芽吹かせ)るお方。かれは死から生を取り出され、生から死を取り出されるお方[2]。そのお方がアッラー*。では、一体どうして、あなた方は(真理から)背かされるのか?
(かれは夜の闇から)暁を裂き出されるお方。また、かれは夜を安住の場とされ、太陽と月(の運行)を計算[1]とされた。それは偉力ならびなき*お方、全知者のお定めである。
またかれは、それによってあなた方が陸と海の闇の中を導かれるべく、あなた方のために星々をお創りになったお方。われら*は知識ある民に対し、確かに御徴[1]を詳細にした。
またかれは、あなた方を一人の者(アーダム*)からお創りになったお方。それで(あなた方には、)定住地と収容地[1]がある。われら*は理解ある民に対し、確かに御徴[2]を明らかにした。
またかれは、天から(雨)水をお降らしになったお方。そしてわれら*は、それであらゆる植物を芽吹かせ、そこから(瑞々しい)緑を生じさせた。われら*はそこから、連なり重なる種粒を実らせる。またナツメヤシの木、その莢[1]からは(われら*の意思によって)、低く垂れ下がる房がなる。そして葡萄の果樹園、また(、一面では)似ているが、(別の面では)異なる[2]オリーブとザクロも(生じさせた)。それが実をつけ熟した時に、その果実を見てみるがよい。実にその中にはまさしく、信仰する民への御徴[3]があるのだから。
彼ら(シルク*の徒)はアッラー*に対し、ジン*を(アッラー*の崇拝*における)同位者とし(て崇め)た。かれ(アッラー*)が、彼ら(ジン*)をお創りになったというのに。また彼ら(シルク*の徒)は知識もなく、かれに息子や娘をでっち上げた[1]。かれに称え*あれ、かれは彼らの言うようなこと(シルク*を犯しているもの)から(無縁で)、遥か高遠[2]であられる。
(かれは)諸天と大地の独創者*。かれには伴侶もないのに、どうしてかれに子供などあり得ようか?そしてかれが全てをお創りになり、かれは全てのことをご存知のお方だというのに?
そのお方がアッラー*、あなた方の主*、かれ以外に(真に)崇拝*すべきものはない。(かれは)全ての創造主である。ならば、かれを崇拝*せよ。かれは、全てのことを請け負われる*お方であられる。
視覚が(現世で)かれ(アッラー*)を捉えることはない[1]。かれが視覚を捉え給うのであり、かれは霊妙な*お方、通暁されるお方なのだ。
(使徒*よ、言うがよい。)「あなた方の主*の御許からあなた方のもとに、開眼[1]が確かに到来した。(それに)開眼する者は誰でも、自分自身を益し、(そこにおいて)盲目である者[2]は誰でも、自分自身を害するのだ。そして私は、あなた方の監視役[3]などではない」。
وَكَذَٰلِكَ نُصَرِّفُ ٱلۡأٓيَٰتِ وَلِيَقُولُواْ دَرَسۡتَ وَلِنُبَيِّنَهُۥ لِقَوۡمٖ يَعۡلَمُونَ [١٠٥]
同様に、われら*は御徴[1]を多彩に示すのだ。そして(その結果、)彼ら(シルク*の徒)は、「あなたは学習したのだ」[2]と言ったのだが、(それは)われら*が、それを知識ある民に明らかにするためなのだ。
(使徒*よ、)あなたの主*からあなたに啓示されたものに、従えーーかれの外に、崇拝*すべきものはないーー。そして、シルク*の徒から遠ざかれ。
また、もしアッラー*がお望みであったなら、彼らはシルク*を犯さなかったのだ[1]。そしてわれら*は、(使徒*よ、)あなたを彼らに対する監視役[2]としたのではないし、あなたは彼らへの(諸事の面倒を見るための)代理人というわけでもない。
(ムスリム*たちよ、)あなた方は、彼らがアッラー*を差しおいて祈っているものを、罵ったりしてはならない。そうすれば彼らは度を越して、知識もないままに、アッラー*のことを罵ってしまうだろう。同様にわれら*は、各共同体にその行いを目映く見せたのだ。その後、彼らの主*の御許こそは、彼らの戻る場所なのであり、かれは彼らが行っていたことについて、彼らにお告げになるのである。
彼らは、もしも御徴[1]が自分たちに到来したら(使徒*のことを)必ず信じる、と躍起になってアッラー*にかけて誓った。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「御徴」は、アッラー*の御許(から)だけである」。そしてそれが到来しても、彼らが信じない(かもしれない)ということを、何があなた方に知らせようか?
彼らがそれを当初から信じなかったように、われらは彼らの心と眼を(アッラー*の御徴の理解から)転回させる[1]。そしてわれら*は、彼らが彷徨うまま、彼らを(アッラー*への反抗という)ひどい放埓さの中に放ったらかしにしておくのだ。
たとえ、われら*が彼ら(シルク*の徒)に天使*を降臨させ、(われら*が蘇らせた)死人が彼らに語りかけ、彼らの眼前に(彼らが求める)全てを集結させたところで、アッラー*がお望みにならない限り、彼らが信仰すべくもない。しかし彼らの大半は、無知なのである。
同様に、われら*は全ての預言者*に、人間とジン*のシャイターン*という敵を創った。彼らは(アッラー*の道に反して)欺こうとし、飾り立てた(嘘の)言葉で互いに唆し合う。そして、もしあなたの主*がお望みだったなら、彼らはそうしなかっただろう(、しかしそれは、アッラー*からの試練なのだ)。ならば彼らを、彼らの捏造するもの諸共、放っておくのだ。
また、来世を信じない者たちの心がそこ(嘘の言葉)へと傾き、それに満足し、彼らが犯すもの[1]を犯すようになるため(、彼らは唆し合う)。
(使徒*よ、シルク*の徒に言ってやるがいい。)「一体、私がアッラー*以外のものを裁決者として望むというのか?[1]かれはあなた方に、明らかにされた啓典をお下しになったお方なのに?」われら*が啓典を授けた者たち(啓典の民*)は、それ(クルアーン*)があなたの主*から真理と共に下されたものであることを知っている。ならばあなた[2]は決して、疑わしく思う者たちの類いとなってはならない。
あなたの主*の、真実で公正な御言葉(クルアーン*)は、完遂された[1]。かれの御言葉には、いかなる変更者もいない。かれはよくお聴きになるお方、全知者であられる。
そして(使徒*よ)、もしあなたが地上の大半の者[1]に従えば、彼らはあなたをアッラー*の道から迷わせてしまうだろう。彼らは(誤った)憶測に従っているに外ならない。彼らは決めつけているだけなのだ。
本当にあなたの主*こそは、かれの道から迷う者を、最もよくご存知である。またかれは、導かれる者たちのことも、最もよくご存知なのだ。
ならば、あなた方は、アッラー*の御名がその上に唱えられたものの内から食べよ[1]。もしあなた方が、かれの御徴[2]を信じているのならば(、だが)。
そして、アッラー*の御名がその上に唱えられたものの内から食べないとは、どういうことか?かれはあなた方に禁じたものを確かに、あなた方に詳しく説明されたというのに。しかし、あなた方がその必要に迫られたもの[1]は別である。本当に多く(の誤った者たち)は知識もなく、その私欲によって(合法・非合法な物事において)正に迷わせるのだ。本当に(使徒*よ、)あなたの主*こそは、度を超す者たちを最もよくご存知である。
露わな罪も、密やかな罪も放棄するのだ。実に罪を稼ぐ者たちは、自分たちが犯していたことゆえに、やがて報いを受けることになるのだから。
また(ムスリム*たちよ)、アッラー*の御名がその上に唱えられていないものの内から、食べるのではない。本当にそれは、まさしく放逸さ[1]である。本当にシャイターン*(のジン*たち)は、あなた方と言い争うよう、自分たちの盟友(であるシャイターン*の人間たち)を、まさに唆すのだ[2]。そして、もし彼らに従ったら、本当にあなた方は正しくシルク*の徒*である[3]。
一体、(かつては)死人だったが、われら*が生命を与え、人々の間をそれによって歩く光を授けた者は、脱出することの出来ない闇の中にある者[1]と同等だろうか?同様に不振後者*たちには、彼らが行っていたことが煌びやかに映ったのである[2]。
また(マッカ*の不信仰者*たちと)同様に、われらはいかなる町においても、その罪悪者たちを(町の)有力者とした。(それは)彼らがそこで、策謀するためである。そして彼らが策謀しているのは、自分自身に対してに外ならない[1]。彼らはそれに気付いていないのだが。
また、御徴[1]が彼らのもとに到来した時、彼らは言った。「私たちは、アッラー*の使徒*たちが授けられたものと同様のもの[2]を授けられるまで、(ムハンマド*を)決して信じない」。アッラー*が、そのお言伝を託す(に相応しい)場所を最もよくご存知である。やがて罪深い者たちには、彼らが策謀していたことゆえに、アッラー*の御徴での惨めさと、厳しい懲罰が降りかかるであろう。
アッラー*が誰かを導くことをお望みになれば、かれはその者の胸を服従(イスラーム*)へと広げて下さる。また、かれが誰かを迷わせることをお望みになれば、かれはその者の胸をひどく狭められる。それは、あたかも(上)空に何とか昇ろうとする[1]ようなもの。同様にアッラー*は、信仰しない者たちに穢れ[2]をお与えになるのだ。
(使徒*よ、)これがあなたの主*の、まっすぐな道。われら*は確かに教訓を得る民に対し、御徴を詳細にしたのだ。
彼らにはその主*の御許に、平安の郷[1]がある。かれは彼らが行っていた(正しい)ことゆえの、彼らの庇護者*なのだ。
かれが彼ら全員を召集され(、こう仰せられ)る日のこと(を思い起こさせよ)。「ジン*の衆(のシャイターン*たち)よ、本当にあなた方は人間を、随分と集めたものだな[1]」。そして(不信仰な)人間の内の、彼らの盟友は言う。「我らが主*よ、私たちは互いに楽しみ合っていました[2]。そして私たちは、あなたが私たちに定められた時期[3]まで到達してしまったのです」。かれは仰せられる。「(地獄の)業火があなた方の、住まいである。あなた方はそこに永遠に留まるのだ」。但し、アッラー*がお望みになった者[4]は別であるが。本当にあなたの主*は英知あふれる*お方、全知者であられるのだから。
そのようにわれら*は不正*者たちを、彼らが稼いでいたものゆえに、互いの盟友とさせる。
(アッラー*は復活の日*、仰せられる。)「(シルク*の徒であった)ジン*と人間の衆よ、一体あなた方のもとに、われの御徴をあなた方に語って聞かせ、あなた方のこの日の面会についてあなた方に警告を放つ、あなた方(人間)自身の内から使徒*たちはやって来なかったのか?」彼らは申し上げる。「私たちは、自分自身に対して(不利に)証言[1]します」。現世の生活が、彼らを欺いたのである。そして彼らは自分たちが不信仰者*であったことを、自分自身に対して証言するのだ。
それ[1]はあなたの主が、その住民が無頓着な状態[2]にある時、町々を不正[3]ゆえに滅ぼされたりはしないからである。
また各人には、(アッラー*への服従行為であろうと、かれへの反抗であろうと、)自分が行ったことゆえの位があるのだ。そしてあなたの主*は、彼らが行うことに迂闊ではあられない。
そして(使徒*よ)、あなたの主*は満ち足りておられる*お方、慈悲の主であられる。もしかれがお望みになれば、(不従順な)あなた方を消し去り、ちょうどあなた方を別の民の子孫から出現させられたように、あなた方の後にかれがお望みになるもの[1]を引き継がせられるのだ。
(シルク*の徒よ、)実にあなた方に約束されていることは、必ずや到来することになっている。そしてあなた方は、(アッラー*の懲罰を)やり過ごすことが出来る者ではない。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「我が民よ、あなた方は自分たちのやり方で行うがよい。実に私も、(自分のやり方で)行おう。そうすれば、いずれあなた方は、誰に世の(善き)結末[1]があるかを知ることになろうから。本当に、不正*者たちが成功することはないのだ」。
彼ら(シルク*の徒)はアッラー*に、かれが繁茂させ給うた作物と家畜の内から割り当て分を決め、自分たちの主張するところにより、(こう)言った。「これはアッラー*の分。そしてこれは、私たち(がアッラー*)の同位者(とするもの)たちの分」。そして彼らの同位者たちの分だったものは、アッラー*に届くことがなく、アッラー*の分だったものは、彼らの同位者たちに届くのだ[1]。彼らの決めることの、何と忌まわしいことか。
同様に、彼ら(がアッラー*)の同位者(としたもの、つまりシャイターン*)たちは、シルク*の徒の多くに対し、自分たちの子供を殺すことを魅惑的に見せた[1]。(それは)彼らを(破滅に)転落させ、彼らに自分たちの宗教を紛らわしく見せ(て迷わせ)るためであった。そして、もしアッラー*がお望みであったなら、彼らはそのようなことをしなかったのだ[2]。ならば彼らを、彼らが捏造したもの諸共、放っておけ。
彼ら(シルク*の徒)は自分たちの主張するところにより、かれ(アッラー*)に対し(嘘を)捏造しつつ、(こう)言った。「これらは、私たちが望む者しか食することが出来ない、禁じられた家畜と作物[1]である。また(これらは)、背中が禁じられている家畜[2]。そして(これらは)彼らが、その上にアッラー*の御名を唱えない家畜[3]」。かれはやがて、彼らが捏造していたことゆえに、彼らに応報を与えられるであろう。
また、彼らは言った。「これらの家畜の腹の中にあるもの[1]は、私たちの内の男性だけのものであり、私たちの妻たちには禁じられる。そしてそれが(生まれた時)死んでいた場合、彼ら(男女)はそれ(の利用)における共同者となる」。かれ(アッラー*)はやがてその言葉ゆえ、彼らに応報を与えられよう。本当にかれは、英知あふれる*お方、全知者なのだから。
愚かにも、知識もなく自分たちの子供を殺し、アッラー*に対する捏造ゆえに、かれが自分たちのお恵みになったものを(勝手に)禁じた者たちは、確かに損失したのである。彼らは確かに(真理から)迷い去ったのであり、導かれた者の仲間ではなかったのだ。[1]
かれは、高くあげられた果樹園[1]と、高くあげられてはいないもの、異なる味のナツメヤシと作物、(一面では)似ているが、(別の面では)異なっている[2]オリーブとザクロを創られたお方。それが実ったらその果実から食べ、収穫日にはその義務[3]を支払うのだ。そして度を超すのではない[4]。本当にかれは、度を超す者たちをお好きにはならないのだから。
また(かれは)、運搬用の家畜と、小型の家畜も(お創りになった)。アッラー*があなた方にお授け下さったものから食べ、そしてシャイターン*の歩みに従ってはならない。本当に彼はあなた方にとって、紛れもない敵なのだから。
八頭の雌雄を(お創りになった)。羊のつがいと、ヤギのつがい。(使徒*よ、)言うのだ。「一体、かれが両方の雄、または両方の雌、あるいは両方の雌のお腹にあるものを禁じられたというのか?[1](あなた方の主張を裏づける)知識によって、私に告げてみよ。もし、あなた方が本当のことを言っているのならば(、だが)」。
また、ラクダのつがいと、牛のつがい。(使徒*よ、)言うのだ。「一体かれが両方の雄、または両方の雌、あるいは両方の雌のお腹にあるものを禁じられたと言うのか?いや、一体あなた方は、アッラー*がこのことをあなた方に命じられた時、(その場に)立ち会わせていたとでもいうのか?ならば、知識もなく人々を迷わせようとして、アッラー*に対して嘘を捏造する者ほど、ひどい不正*を働く者があろうか?本当にアッラー*は、不正*者である民をお導きにはならない」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私に啓示されたものの中では、死肉、流れ出る血液[1]、豚肉ーー実にそれは穢れであるからーー、アッラー*以外の名において屠られた[2]放逸なもの[3]以外、それ(らの家畜)を食する者にとって非合法なものは、見いだせない[4]。やむを得ない状態にある者は、法を超えず度を越さない限りにおいて[5](それを口にしても罪はない、なぜなら)本当にあなたの主*は赦し深いお方、慈愛深い*お方なのだから」。
われら*はユダヤ教徒*である者たちに対し、爪を有する全てのもの[1]を禁じた。また牛と羊の内でも、背中と腸が蓄えたものか、あるいは骨に密着したものを除き、その脂肪を彼らに(禁じた)。それは彼らの侵害[2]ゆえに、われら*が彼らに報いたもの。本当にわれら*こそは、真実を語る者である。
そして(使徒*よ、)彼らがあなたを嘘つき呼ばわりしたならば、(こう)言ってやれ。「あなた方の主*は、広大なご慈悲の主。そしてかれの猛威[1]は、罪悪者である民から遮られることはない。
シルク*を犯していた者たちは言うであろう。「アッラー*がお望みならば、私たちも私たちのご先祖様たちもシルク*など犯さなかったし、何も(勝手に)禁じたりはしなかったであろう[1]」。同様に彼ら以前の(不信仰)者*たちも、われら*の猛威[2]を味わうまで、(使徒*たちを)嘘つき呼ばわりし(続け)たのだ。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「あなた方には少しでも(正しい)知識があって、それであなた方はそれを私たちに持ってこれるのか?あなた方は憶測しているに過ぎず、あなた方は決めつけているだけなのである」。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「ならばアッラー*にこそ、決定的な証拠がある。そして、もしかれがお望みならば、あなた方全員を導かれたことであろう」。
(使徒*よ、)言うがよい。「アッラー*がこれ[1]を禁じ給うた、ということを証言する、あなた方の証人たちを連れて来るのだ。そしてもし彼らが証言しても、あなた[2]は彼らと共に証言してはならない。またあなたは、われら*の御徴を嘘呼ばわりする者や、来世を信じず、自分たちの主*に対して(かれ以外のものを)並べている[3]者たちの私欲に従ってはならない」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「来なさい。私はあなた方の主*が、あなた方に禁じられたことを誦んで聞かせよう。あなた方は、(アッラー*の崇拝*において、)いかなるものもかれに並べてはならない。そして自分の両親に孝行を(せよ)。また貧困ゆえに、あなた方の子供たちを殺してはならない[1]。われら*が、あなた方と彼らを養うのだから。また醜行[2]には、その内の露なものにも、秘められたものにも、近づくな。そして権利[3]がない限り、アッラー*が(その殺害を)禁じられた者を殺してはならない。それはあなた方が分別するようにと、かれがあなた方に命じられたことなのである。
また、孤児の財産には、それが最善の形[1]出ない限り、彼が成熟[2]するまで近づいてはならない。そして升と秤[3]を、公正に全うするのだ。--われら*は誰にも、その能力以上のものを負わせない[4]--。また、あなた方が話す際には、公正を貫くのだ[5]。たとえ、それが近親の者(の利)に反することであっても。そして、アッラー*との契約[6]をこそ全うせよ。それはあなた方が教訓を得るようにと、かれがあなた方にご命じになったことなのである。
そしてこれこそが、まっすぐなるわが道(イスラーム*)だということを(、私は誦んで聞かせる)。ならば、それに従うのだ。そして(それ以外の)道に従って、あなた方をかれ(アッラー*)の道から分裂させてしまってはならない[1]。それはあなた方が敬虔*になるようにと、かれがあなた方に命じられたことなのである」。
それからわれら*は、善を尽くした者への(恩恵の)完遂、(宗教上の)全ての物事の解明、導き、慈悲として、ムーサー*に啓典(トーラー*)を下した。彼らがその主*との拝謁を信じるようにと。
そしてこれ(クルアーン*)はわれら*が下した、祝福にあふれた啓典である。ならば、あなた方が慈しまれるよう、それに従い、(アッラー*を)畏れる*のだ。
(クルアーン*を下したのは、)あなた方(アラブ人の不信仰者*たち)が、「啓典は私たち以前の二集団[1]にこそ下されたのであり、本当に私たちは、彼ら(の啓典)を学ぶことにまさしく無頓着な者たちだったのだ」と言わないようにするためである。
あるいは、「もし私たちに啓典が下っていたら、私たちは彼らよりも導かれていたのに」などと(、言わないようにするため)。あなた方の主*からの明証と導きとご慈悲は、確かにあなた方のもとにやって来たのだぞ。ならば、アッラー*の御徴を嘘呼ばわりし、それに背いた者よりもひどい不正*を働く者があろうか?われら*はやがて、われら*の御徴に背く者たちを、彼らが背いていたことゆえに、忌まわしい懲罰によって報いてやろう。
一体彼らは、天使*たちが自分たちのもとに到来するか、またはあなたの主*が御出でにになるか、あるいはあなたの主*の御徴の一部が到来する[1]まで、待っているというのか?あなたの主*の御徴の一部が到来する(復活の)日*、(それ)以前に信仰してはいなかった、あるいはその信仰において善を稼ぐことのなかった者の信仰が、自らを益することはない[2]。(使徒*よ、)言ってやるのだ。「(その時を)待っているがよい。本当に私たちも、待つ者となるから」。
本当に、自分たちの宗教を分裂させ、分派となった者たち[1]、(使徒*よ、)あなたは彼らと全く無縁である。彼らのことは、アッラー*にこそ帰されるのだ。その後、かれは彼らがしていたことについて、彼らにお告げになる。
(復活の日*、)誰であろうと、一つの善行と共に(主*の御許へ)やって来た者、彼には、その十倍(の褒美)がある。そして誰であろうと、一つの悪行と共に(主*の御許へ)やって来た者、彼はそれと同等の報いしか受けない。彼らが不正*を被ることはないのだ。
(使徒*よ、)言うのだ。「本当に我が主*は、私をまっすぐな道(イスラーム*)へとお導きになった。正しい教え、純正[1]なイブラーヒーム*の宗教へと。彼はシルク*の徒の類いではなかった」。
言え。「本当に私の礼拝も犠牲も、生も死も、全創造物の主*アッラー*のためのみ。
かれには(その唯一性*において、)いかなる同位者もない。私はそれ[1]こそを命じられたのだ。そして私は(我が共同体において)、服従する者(ムスリム*)の先駆けなのである」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「一体、私がアッラー*以外を(、崇拝*の対象である)主*として欲することなどあろうか?かれは、全てのものの主*であられるというのに。いかなる者も、自分で(その罪を)背負うことなしに、(悪行を)稼ぐことはない。また(罪の)重荷を背負う者は、他の者(が犯した罪)の重荷まで背負うことはない。それから、あなた方の主*の御許にこそ、あなた方の帰り所はあるのだ。そしてかれは、あなた方が(宗教上のことで)意見を異にしていたことについて、あなた方にお告げになる。
かれは、あなた方を地上の継承者[1]とされ、かれがあなた方にお授けになったものであなた方を試みられるべく、あなた方の内のある者を別の者よりも高く位置づけられたお方[2]。本当に(使徒*よ、)あなたの主*は、即座に懲罰を下されるお方。そして、実にかれはまさしく、赦し深いお方、慈愛深い*お方である。